2016年05月17日

魔女宝鑑


魔女宝鑑JTBCが5月13日に放送を開始した16回連続の歴史ドラマ。
時代は、MBCの「獄中花」とほぼ同じ頃の16世紀中期、中宗と悪名高い文定王后の間に生まれ、母親の越権行為に生涯苦しめられた第13代明宗の治世下である。王の唯一の嫡子である順懐世子(スネセジャ)は、生まれて12年後に夭折し、直系の世継ぎがいなくなった。明宗の後を継いだのは、中宗の九男の三番目の息子である河城君で、後の第14代宣祖であった。ここに朝鮮王朝傍系王統の時代が始まった。

ドラマの中では、順懐世子に双子の姉がいたという設定で、呪いをかけられたその王女は、生きていると弟の方が死ぬことになるとして、生まれてすぐに焼き殺された。しかし、王女は密かに王命により生かされていて、奥深い山中の一軒家で成長していた。彼女と同じ頃に、後に名医となる許浚(ホ・ジュン)も生まれていた。二人は山中で出会い、恋に落ち、成長していく。ヨニと名付けられた王女が呪詛封じの家から一歩外に出た途端、双子の弟の世子が王宮で病死した。黒巫女と文定太后は、王女の生存を確信する。彼女にかけられた呪いの発端は黒巫女と文定太后の企みによるものであった。第一話でその話が挿入される。呪いをかけたのは、星宿庁(ソンスチョン)に所属していた巫女であった。秘密を守るために黒巫女と文定太后に殺される彼女は、王女と世子が自分の子供であること知らぬまま、二人に呪いをかけて絶命した。

後に許浚は王室の御医となり、東洋医学の集大成「東医宝鑑」を著す。ドラマのタイトル「魔女宝鑑」は彼の書名を模倣したパロディである。青年許浚を演じるのは、最近軍を除隊したばかりのユン・シユンである。「製パン王キム・タック」に主演した。

ヒロインの王女、ヨニを演じるのは、キム・セロン。2010年に映画「おじさん」に子役として出演し、脚光を浴びた。その後も映画「トヒよ」で屈折した女の子を好演し、数々の映画賞で新人女優賞を獲得して女優の地位を確立した。

星宿庁(ソンスチョン)と昭格署(ソギョクソ)

昭格署  道教の影響を受けて天と星に向かって祭事を行っていた朝鮮王朝の官庁である。太祖元年の1392年、昭格殿と称された。その後、世祖12年の1467年に昭格署と改称された。中宗13年の1518年、趙光祖(チョ・グワンジョ)を筆頭にした儒教勢力の士林派の強い要求で廃止されたが、士林派が失脚した翌年の1520年に再び設置された。その後、宣祖の時代に豊臣秀吉軍の侵攻の渦中に祭事が排され、それを機に完全に廃止された。

星宿庁  朝鮮時代前期、国の巫女である国巫を置き、国家と王室の安寧と幸運を祈り、災厄を退けるための祈祷儀式を担当した国家の公式機構であった。星宿は星座の意味で、道教からその名称を借用したと思われる。後に昭格署と同様に国家機関から除かれた。

両方とも王室が設置した特別な組織である。儒教を国家の基本理念とした朝鮮王朝に、本来ならあってはならない機関であった。しかし、王朝前期にはまだ儒教の政治勢力が確立していなかったので、特に国王周辺の女性たちは仏教や迷信を信じ、僧侶の祈祷や巫女の占いに頼る傾向があった。文定王后もその例に漏れなかった。

演出  チョ・ヒョンタク
脚本  ヤン・ヒョンムン

出演

ユン・シユン  許浚(ホ・ジュン) (龍泉縣監ホ・ユンの庶子で、後に王室の内医院御医となり、名医としてその名を歴史に残す。庶子のため差別の中で成長する。心の中に怒りの炎を隠す熱血青年の願いは、母親を奴婢の身分から免賤してあげること。身分を隠す王女ヨニとの出会いと恋を経て大人へとさらに成長していく)

キム・セロン  王女ヨニ(魔女ソリ) (順懐世子の双子の姉であるが、呪いをかけられたため、世子の命を守るために焼き殺されそうになる。昭格署の長で、王に忠実なチェ・ヒョンソに助けられ、王命により密かに育てられる。チェ・ヒョンソを父親と思い込んでいる。呪い封じが破られた時、弟の世子は幼くして死に、彼女は呪いのために心が凍り付いた白髪の魔女に変身する。身を隠す山中で許浚と出会い、心を通わせる)

イ・ソンジェ  チェ・ヒョンソ(昭格署の長で、ブンヨンの父親。王の頼みで呪われた王女を密かに育てる。王女の呪いを解くための方法探しに奔走する)

ヨム・ジョンア  ホンジュ(星宿庁の大巫女で、黒巫女。チェ・ヒョンソとは対立する。王女の命を狙う)

クワク・シヤン  プンヨン(チェ・ヒョンソの長男で、内禁衛の従事官となる。ヨニを実の妹と思い込む。彼女を楽しませようと呪い封じの家から連れ出すや、呪いが一挙にヨニを襲う)

チャン・ヒジン  王妃沈氏(明宗の死後太妃沈氏) (石女のため黒妖術で世子と王女を産む。秘密を守るために二人の実母に剣を突き刺した張本人。黒巫女の力に頼る)

イ・ジフン  宣祖(後嗣のない明宗の養子となり、王位を継ぐ)

ヨ・フェヒョン  順懐世子(明宗の唯一の嫡子。ドラマの中ではヨニの双子の弟。12歳で死去する)

イ・イギョン  ヨグワン(昭格署の道士で、チェ・ヒョンソの部下の一人。王女で魔女のヨニを護衛する武士)

チョ・ダルファン  ホ・オク(ホ・ユンと正室孫氏の長男。許浚の異母兄)

チョン・ミソン  孫氏(ホ・ユンの正室夫人)

キム・ヒジョン  金氏(奴婢出身の許浚の生母)

特別出演

キム・ヨンエ  太妃尹氏(文定王后尹氏) (中宗の第三王妃で、明宗の生母。歴代王妃の中で一番の野心家で、息子の王を支配した。諦めた明宗も朝廷の官僚たちも彼女の死ぬのを待つしかなかった)

チョン・インソン  ヘラン(星宿庁で一番の巫女であったが、文定太后に命じられて王の寝所に送られる。受胎したが、黒巫女の妖術により胎児を王妃の体内に盗まれる。秘密保持のために殺害される。死ぬ間際に胎児たちに呪いをかける)

イ・ダウィツ  明宗(母親の文定太妃の死後、初めて国王として力を発揮し、善政を行った君主であった。母親が存在しなければ、在位期間を通じて名君になれたともいわれる。ドラマの中では、密かに娘の命を守る)
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2016年05月02日

獄中花


獄中花4月30日にMBCでスタートした新しい歴史ドラマ。「チャングム」を演出したイ・ビョンフン監督の最新作で、脚本は「ホ・ジュン」のチェ・ワンギュが書く。
イ・ビョンフン監督が今回選んだ舞台は、朝鮮時代の刑務所である典獄署(チョノクソ)。訳あってこの場所で生まれ、育てられたヒロイン、オンニョ(獄女)の数奇な運命と成長の物語である。
「女人天下」の主人公たちであった鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)、文定王后(ムンジョン・ワンフ)、そして王妃の弟の尹元衡(ユン・ウォニョン)らによって翻弄された人生を歩む若者たちの強く賢明に生きていく姿を描く。

物語は1540年の中宗35年3月に始まる。チャングムでおなじみの国王中宗が没する5年前のことである。夜の暗闇の中を一組の男女が逃走し、謎の一団が命を狙って二人を追う。男は女の護衛武士で、女は臨月を迎えた身分の高そうな女性。刀傷を負った女は、逃げ込んだ典獄署内で女の子を産み、絶命する。15年後の明宗10年、赤子は15歳の典獄署の茶母(タモ)に成長する。監獄に収監されている学問の師たちから学んだ多くの知識の実用に才能を発揮した天才少女であった。他にも義賊のイム・コッチョン、風水家のチョン・ウチ、名妓の黄真伊、女医チャングムらと出会い、彼らの支援を受けて成長し、勝利していく。

オンニョの夢

自分を取り上げた産婆と出会い、当時のことを聞かされる。自身の過去と典獄署で自分を産んで亡くなった母親の真実が知りたくなり、捕盗庁(ポドチョン=現在の警察に当たる)の茶母(タモ=下女)になる夢を抱く。しかし、彼女の夢と運命は、パク・テス、ユン・テウォン、ソン・ジホンの三人の男との出会いでひっくり返る。結局は警官ではなく、弁護士の道を選ぶことになる。

外知部(ウェジブ)

代訟人のことで、朝鮮時代の弁護士に当たる職業。オンニョは、典獄署で身につけた法律の知識を駆使して貧しく、虐げられた人々のための人権制度ともいうべき外知部の制度を世に知らせようと奔走する。

演出: イ・ビョンフン、チェ・ジョンギュ
脚本: チェ・ワンギュ

配役

チン・セヨン オンニョ(監獄で生まれ、育った天才少女。自分の過去と母親の死の真相を知るために捕盗庁の茶母になろうとしたが、結局は庶民のための外知部(法律代理人)の道に進む)

チョン・ダビン  少女期のオンニョ(天才ぶりを発揮して典獄署のみんなから可愛がられ、信頼される)

コ・ス  ユン・テウォン(マポ、サムゲの渡し場で商権を掌握している漢陽商団とやくざ組織の首領。尹元衡の庶子。母親は漢陽妓房の妓生であった紅梅(ホンメ)。後にオンニョの外知部の仕事に協力し、世のために働く)

キム・ミスク  文定王后(中宗の三番目の王妃。貪欲と野心の塊。自分が産んだ明宗を王位に就かせるために手段を選ばなかった。息子が王になると、何かと国政に口出しし、越権行為で王をいじめる)

チョン・ジュノ  尹元衡(文定王妃の弟で、姉の権力により政治の実権を握る。姉に劣らず貪欲で、悪事の限りを尽くす。姉の死とともに没落するや極刑に処される)

パク・チュミ  鄭蘭貞(朝鮮時代の三大悪女の一人。妓生から尹元衡の妾になり、彼の正室を殺してその地位を奪う。尹元衡の没落と共に追われる身となり、投身自殺する)

チョン・ウンピョ  チ・チョンドゥク(中人出身の典獄署下級役人。自他ともに認めるオンニョの育ての親)

チェ・ミンチョル  チョン・デシク(典獄署の責任者である主簿。強い者には弱いが、弱い者には強くあたる典型的な人物)

イ・ヒド  コン・ジェミョン(商団の親方)

メン・サンフン  チョン・マッケ(鄭蘭貞の兄で、義弟の尹元衡の執事を務める)

アン・ヨジン  ユグム(典獄署の茶母。心が優しく、オンニョには母親代わりの存在)

イ・セチャン  チョン・ウチ(中宗・明宗時代最高の風水家で詐欺師。オンニョに風水と詐欺術を教える)

イム・ホ  カン・ソノ(捕盗庁の部将で、オンニョを諜報員に育てようとする。苦悩の末に尹元衡の下に入る)

キム・ミンギョン  キム尚宮(大妃殿提調尚宮。文定王后の最側近)

チェ・テジュン  ソン・ジホン(パク・テスの孫。数奇の運命を経て開城松房の都房であるソン・ファノクに拾われて、孤児の奴婢から両班に身分上昇し、科挙に合格して捕盗庁従事官に任命される。オンニョの運命に大きくかかわる人物)

特別出演

チョン・グワンニョル  パク・テス(士林派の巨木・趙光祖の弟子。20年以上も典獄署の秘密地下監房に収監されている。呼吸困難に陥った時、オンニョの手当てで死の危機を免れる。その後、オンニョに人生と学問について多くの教えを授けるメントになり、最も近い間柄になる)

チュ・ジンモ  土亭・李之函(トジョン・イ・ジハム) (囚人ではあるが、オンニョにとって最初の学問の師)

キム・ウンス  典獄署の前任主簿
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2016年03月24日

大撲(テバク)


大撲(テバク)SBSの「六龍が飛び立つ」の後続として、3月28日から始まる「ファクション」形式の歴史ドラマ。
タイトルの「テバク」は、今の若者たちが好んで多用している「大当たり」や「大ヒット」を意味する「テバク」とほぼ同じ言葉のようである。主人公の青年が強くなることを一大決心して旅立つ。その姿を見送る育ての親で賭博の師匠の老人がサイコロ二個を振って前途を占うと、二個とも最高の目である「大舶(テバク)」を示していた。師匠は「やっと進むべき道を当てたな」と大喜びする。タイトルはこのエピソードに由来している。

主人公のペク・テギルを演じるのは、3年ぶりの歴史ドラマ出演となるチャン・グンソク。 
テギルは「トンイ」でおなじみの国王粛宗(スクチョン)のご落胤。王子でありながら死んだように生きなければならない運命を背負わされるが、いかさま師となって父親と弟のヨンイン君(後の英祖)に対して一世一代の大勝負に出る。

演出 : ナム・ゴン
脚本 : クォン・スンギュ
全24話。

出演

チャン・グンソク = 白大吉(ペク・テギル)(粛宗の落胤で、悲運の王子。王の息子と名乗れずに日陰に生きることを余儀なくされるが、結局は父の粛宗と弟のヨンイン君に対して宿命的に対決することになる。悲劇の原因は、母が王の側室になって6ヶ月後に生まれたため、王の子ではないと思われたから)

ヨ・ジング = ヨンイン君(後の英祖)(父は粛宗で、母は女官付き下女出身の淑嬪崔氏<トンイ>。張嬉嬪の息子である景宗とその支持基盤である少論から絶えず圧力を受け、母親の卑しい身分に対するコンプレツクスに苦しむが、いずれ自分が国王になる運命であること、兄のテギルと一大勝負をしなければならないことをよく知っている)

イム・ジヨン = 淡序(タムソ)

チョン・グワンニョル = 李麟佐(イ・インジャ)(少論の中心人物で、景宗の最側近を務める。老論を抑えることで権力を掌握するが、景宗の死により没落する。老論派の英祖に対して謀反を起こし、刑死する)

チェ・ミンス = 粛宗(朝鮮王朝の第19代国王。幼くして王位に就いたが、歴代王の中でも王としての品格に恵まれ、治世に長けた国王であった。彼の 欠点は、愛する女性たちを政治に利用したことであった。それが悪縁を引き起こし、宮中に血の嵐が吹き荒れた)

ユン・ジンソ = チェ・ボクスン(後の淑嬪崔氏(トンイ))(卑しい身分の女官付き下女から王の母になる立志伝的人物。目先が利き、処世をよくしたので、身分の負い目を克服することが出来た。彼女の選択は老論であった)

ヒョン・ウ = 景宗(第20代国王)(粛宗と張嬉嬪の長男として生まれたが、元来病弱であった。父の命で母が薬死する姿を目撃し、衝撃を受け、さらに健康を害した。即位した後、数年で死去した。後嗣がなく、異母弟のヨンイン君が後を継いで、第21代英祖となる)

オ・ヨナ = 嬉嬪張氏(張嬉嬪) (粛宗が最も寵愛した女性であったが、南人派を代弁する存在であったため、政争の犠牲になった人物。夫である粛宗の命令で薬死する現場を息子に見られる)

ペク・スンヒョン = チャン・ヒジェ(張嬉嬪の実兄)

イ・ムンシク = ペク・マングム(チェ・ボクスンの夫。賭博に狂い、妻まで賭けて負けてしまう。相手は国王であった。王宮から密かに捨てられた元妻の子を自分の息子と思い、大吉=テギルと名付けて育てる)
posted by rekishinootoshimono at 05:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする