2016年05月02日

獄中花


獄中花4月30日にMBCでスタートした新しい歴史ドラマ。「チャングム」を演出したイ・ビョンフン監督の最新作で、脚本は「ホ・ジュン」のチェ・ワンギュが書く。
イ・ビョンフン監督が今回選んだ舞台は、朝鮮時代の刑務所である典獄署(チョノクソ)。訳あってこの場所で生まれ、育てられたヒロイン、オンニョ(獄女)の数奇な運命と成長の物語である。
「女人天下」の主人公たちであった鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)、文定王后(ムンジョン・ワンフ)、そして王妃の弟の尹元衡(ユン・ウォニョン)らによって翻弄された人生を歩む若者たちの強く賢明に生きていく姿を描く。

物語は1540年の中宗35年3月に始まる。チャングムでおなじみの国王中宗が没する5年前のことである。夜の暗闇の中を一組の男女が逃走し、謎の一団が命を狙って二人を追う。男は女の護衛武士で、女は臨月を迎えた身分の高そうな女性。刀傷を負った女は、逃げ込んだ典獄署内で女の子を産み、絶命する。15年後の明宗10年、赤子は15歳の典獄署の茶母(タモ)に成長する。監獄に収監されている学問の師たちから学んだ多くの知識の実用に才能を発揮した天才少女であった。他にも義賊のイム・コッチョン、風水家のチョン・ウチ、名妓の黄真伊、女医チャングムらと出会い、彼らの支援を受けて成長し、勝利していく。

オンニョの夢

自分を取り上げた産婆と出会い、当時のことを聞かされる。自身の過去と典獄署で自分を産んで亡くなった母親の真実が知りたくなり、捕盗庁(ポドチョン=現在の警察に当たる)の茶母(タモ=下女)になる夢を抱く。しかし、彼女の夢と運命は、パク・テス、ユン・テウォン、ソン・ジホンの三人の男との出会いでひっくり返る。結局は警官ではなく、弁護士の道を選ぶことになる。

外知部(ウェジブ)

代訟人のことで、朝鮮時代の弁護士に当たる職業。オンニョは、典獄署で身につけた法律の知識を駆使して貧しく、虐げられた人々のための人権制度ともいうべき外知部の制度を世に知らせようと奔走する。

演出: イ・ビョンフン、チェ・ジョンギュ
脚本: チェ・ワンギュ

配役

チン・セヨン オンニョ(監獄で生まれ、育った天才少女。自分の過去と母親の死の真相を知るために捕盗庁の茶母になろうとしたが、結局は庶民のための外知部(法律代理人)の道に進む)

チョン・ダビン  少女期のオンニョ(天才ぶりを発揮して典獄署のみんなから可愛がられ、信頼される)

コ・ス  ユン・テウォン(マポ、サムゲの渡し場で商権を掌握している漢陽商団とやくざ組織の首領。尹元衡の庶子。母親は漢陽妓房の妓生であった紅梅(ホンメ)。後にオンニョの外知部の仕事に協力し、世のために働く)

キム・ミスク  文定王后(中宗の三番目の王妃。貪欲と野心の塊。自分が産んだ明宗を王位に就かせるために手段を選ばなかった。息子が王になると、何かと国政に口出しし、越権行為で王をいじめる)

チョン・ジュノ  尹元衡(文定王妃の弟で、姉の権力により政治の実権を握る。姉に劣らず貪欲で、悪事の限りを尽くす。姉の死とともに没落するや極刑に処される)

パク・チュミ  鄭蘭貞(朝鮮時代の三大悪女の一人。妓生から尹元衡の妾になり、彼の正室を殺してその地位を奪う。尹元衡の没落と共に追われる身となり、投身自殺する)

チョン・ウンピョ  チ・チョンドゥク(中人出身の典獄署下級役人。自他ともに認めるオンニョの育ての親)

チェ・ミンチョル  チョン・デシク(典獄署の責任者である主簿。強い者には弱いが、弱い者には強くあたる典型的な人物)

イ・ヒド  コン・ジェミョン(商団の親方)

メン・サンフン  チョン・マッケ(鄭蘭貞の兄で、義弟の尹元衡の執事を務める)

アン・ヨジン  ユグム(典獄署の茶母。心が優しく、オンニョには母親代わりの存在)

イ・セチャン  チョン・ウチ(中宗・明宗時代最高の風水家で詐欺師。オンニョに風水と詐欺術を教える)

イム・ホ  カン・ソノ(捕盗庁の部将で、オンニョを諜報員に育てようとする。苦悩の末に尹元衡の下に入る)

キム・ミンギョン  キム尚宮(大妃殿提調尚宮。文定王后の最側近)

チェ・テジュン  ソン・ジホン(パク・テスの孫。数奇の運命を経て開城松房の都房であるソン・ファノクに拾われて、孤児の奴婢から両班に身分上昇し、科挙に合格して捕盗庁従事官に任命される。オンニョの運命に大きくかかわる人物)

特別出演

チョン・グワンニョル  パク・テス(士林派の巨木・趙光祖の弟子。20年以上も典獄署の秘密地下監房に収監されている。呼吸困難に陥った時、オンニョの手当てで死の危機を免れる。その後、オンニョに人生と学問について多くの教えを授けるメントになり、最も近い間柄になる)

チュ・ジンモ  土亭・李之函(トジョン・イ・ジハム) (囚人ではあるが、オンニョにとって最初の学問の師)

キム・ウンス  典獄署の前任主簿
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2016年03月24日

大撲(テバク)


大撲(テバク)SBSの「六龍が飛び立つ」の後続として、3月28日から始まる「ファクション」形式の歴史ドラマ。
タイトルの「テバク」は、今の若者たちが好んで多用している「大当たり」や「大ヒット」を意味する「テバク」とほぼ同じ言葉のようである。主人公の青年が強くなることを一大決心して旅立つ。その姿を見送る育ての親で賭博の師匠の老人がサイコロ二個を振って前途を占うと、二個とも最高の目である「大舶(テバク)」を示していた。師匠は「やっと進むべき道を当てたな」と大喜びする。タイトルはこのエピソードに由来している。

主人公のペク・テギルを演じるのは、3年ぶりの歴史ドラマ出演となるチャン・グンソク。 
テギルは「トンイ」でおなじみの国王粛宗(スクチョン)のご落胤。王子でありながら死んだように生きなければならない運命を背負わされるが、いかさま師となって父親と弟のヨンイン君(後の英祖)に対して一世一代の大勝負に出る。

演出 : ナム・ゴン
脚本 : クォン・スンギュ
全24話。

出演

チャン・グンソク = 白大吉(ペク・テギル)(粛宗の落胤で、悲運の王子。王の息子と名乗れずに日陰に生きることを余儀なくされるが、結局は父の粛宗と弟のヨンイン君に対して宿命的に対決することになる。悲劇の原因は、母が王の側室になって6ヶ月後に生まれたため、王の子ではないと思われたから)

ヨ・ジング = ヨンイン君(後の英祖)(父は粛宗で、母は女官付き下女出身の淑嬪崔氏<トンイ>。張嬉嬪の息子である景宗とその支持基盤である少論から絶えず圧力を受け、母親の卑しい身分に対するコンプレツクスに苦しむが、いずれ自分が国王になる運命であること、兄のテギルと一大勝負をしなければならないことをよく知っている)

イム・ジヨン = 淡序(タムソ)

チョン・グワンニョル = 李麟佐(イ・インジャ)(少論の中心人物で、景宗の最側近を務める。老論を抑えることで権力を掌握するが、景宗の死により没落する。老論派の英祖に対して謀反を起こし、刑死する)

チェ・ミンス = 粛宗(朝鮮王朝の第19代国王。幼くして王位に就いたが、歴代王の中でも王としての品格に恵まれ、治世に長けた国王であった。彼の 欠点は、愛する女性たちを政治に利用したことであった。それが悪縁を引き起こし、宮中に血の嵐が吹き荒れた)

ユン・ジンソ = チェ・ボクスン(後の淑嬪崔氏(トンイ))(卑しい身分の女官付き下女から王の母になる立志伝的人物。目先が利き、処世をよくしたので、身分の負い目を克服することが出来た。彼女の選択は老論であった)

ヒョン・ウ = 景宗(第20代国王)(粛宗と張嬉嬪の長男として生まれたが、元来病弱であった。父の命で母が薬死する姿を目撃し、衝撃を受け、さらに健康を害した。即位した後、数年で死去した。後嗣がなく、異母弟のヨンイン君が後を継いで、第21代英祖となる)

オ・ヨナ = 嬉嬪張氏(張嬉嬪) (粛宗が最も寵愛した女性であったが、南人派を代弁する存在であったため、政争の犠牲になった人物。夫である粛宗の命令で薬死する現場を息子に見られる)

ペク・スンヒョン = チャン・ヒジェ(張嬉嬪の実兄)

イ・ムンシク = ペク・マングム(チェ・ボクスンの夫。賭博に狂い、妻まで賭けて負けてしまう。相手は国王であった。王宮から密かに捨てられた元妻の子を自分の息子と思い、大吉=テギルと名付けて育てる)
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2016年01月05日

蒋英実(チャン・ヨンシル)


蒋英実「懲録」終了以来数ケ月の空白を経て、KBS大河ドラマの新作がいよいよ1月2日にスタートした。
今度の主人公は、大河ドラマが初めて取り上げる科学・技術者の蒋英実。
舞台となるのは、15世紀初め、朝鮮王朝三代太宗・李芳遠と四代世宗大王の時代。国王は朝鮮の空の天体運動から得られる朝鮮固有の暦を熱望した。当時の朝鮮では明国皇帝から贈られた明の暦を使用していたので、自分たちの頭上の太陽と月と地球の動きが正確にとらえられず、国の行事に支障をきたしていた。そのような時に現れたのが賤しい奴婢の蒋英実という天才であった。彼は、天文学に長け、様々な天文器具を発明・駆使して正確な暦作りに貢献した。世宗は蒋英実を奴婢の身分から解放し、官僚にまで取り立てた。機械装置などの物作りにも長けた蒋英実は、水時計や測雨基なども発明し、世宗の寵愛を受けた。ドラマでは、蒋英実の少年時代の生い立ちから始まり、王室の科学者に成長するまでの姿が24話を通じて描かれる。演じるのは、久々に歴史ドラマに戻ってきたソン・イルグク。蒋英実の初恋で、彼の栄達を背後で支える太宗の娘、ソヒョン翁主には久しぶりの歴史ドラマ出演となるパク・ソニョンが扮する。「大王世宗」のキム・サンギョンが再び世宗となって登場する。

演出は、「近肖古王」、「懲録」などを手掛けたキム・ヨンジョPD
脚本は、イ・ミョンヒマ・チャンジュンの2人。

出演者

ソン・イルグク  蒋英実(チャン・ヨンシル)
キム・サンギョン  世宗イ・ド
パク・ソニョン  太宗李芳遠の娘ソヒョン翁主
イ・ジフン  チャン・ヒジェ(蒋英実のいとこに当るが、良家の嫡男であるため、賤しい蒋英実とは身分が違う。密かに天文学を勉強するが、蒋英実には及ばず、悲劇の天才と称される。蒋英実の実力を知りつつも、身分の差でもって彼を蔑視する。)
キム・ドヒョン  イ・チョン(蒋英実を見出す官僚で、科学者でもある)
ソン・ビョンホ  ハ・ヨン
キム・ビョンギ  メン・サソン(名宰相の一人)
チョン・ハニョン  ファン・ヒ(名宰相の一人)
キム・ミョンス  チャン・ソンヒ(蒋英実の父で、天文学者)
イム・ヒョク  ユ・テクサン(王室天文学研究機関の長)
イム・ドンジン  チュ・テガン
キム・ヨンチョル  太宗李芳遠(イ・バンウォン)(世宗の父)

蒋英実(1390?~1450?)

朝鮮王朝前期の科学・技術者、発明家から官僚になった。慶尚道東莱郡(現在の釜山市)に生まれた。正確な生没年は不明である。父親のチャン・ソンヒは元から高麗に移り住んだ杭州出身の人で、母親は東莱県の官妓であった。高麗滅亡後、朝鮮の官奴となり、東莱県官庁で奴婢として働かされた。天文の知識で世宗の目に止まり、明国に派遣されて天文機器を学んでくる。その後、国内での天文機器の製作に成功し、その功績が認められて奴婢の身分を免じられ、尚衣院の別座に任命された。その後も正三品の官僚まで上り詰めた。水時計や降雨量測定器、金属活字の発明にも関わった。天文器具の製作が完了すると、金属精錬の専門家として活躍した。

謎の多い晩年

約53歳になった1442年3月、蒋英実は突然の事件に見舞われた。病気がちな世宗が温泉浴に出かける時に乗る御輿が突然壊れ、担当していた蒋英実が責任を問われた。国王に対する不敬罪として朝廷の断罪を受け、棍棒100回打ちと罷免になるところを、世宗の計らいでを免れ、官位の降格だけで決着した。しかし、この事件以後、蒋英実は歴史の記録から消えてしまった。蒋英実は世宗の命を受けて御輿を作ったが、世子が御輿にひび割れが生じているのを見つけてしまい、事件に発展した。世子というのは、世宗の長男文宗のことで、この当時の蒋英実と文宗の関係がどうであったのかがこの事件の真相を知る鍵となる。蒋英実の死亡年とされる1450年は、世宗が死去した年でもある。王の死をきっかけに蒋英実が殉死を選んだのか、文宗に葬り去られたのか、病死なのか、彼の死は謎に包まれている。享年61歳であった。
posted by rekishinootoshimono at 06:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする