2015年01月11日

第33回全国女子駅伝競走大会


「三都物語」の女たちは意地をかけて都大路を走る。
第33回全国女子駅伝今回はそんな大会であった。駅伝版「三都物語」である。
特に第9区の最終区間は最後まで浪速女と京女が意地の張り合いを繰り広げた。そこへ両者が互いにエネルギーを使い果たすのを見計らっていたかのように兵庫と愛知がラストスパートをかけた。しかし、最後の余力を残していた大阪の松田選手が全力で京都の奥野選手を振り切り、三年ぶり三度目の優勝を浪速の郷にもたらした。兵庫の林田選手の健脚ぶりは驚くべきもので、たすきを受け継いだ時の1位との30秒差を2秒差にまで縮めて3位でゴールインし、震災から20年目を迎えるふるさと兵庫に力強いエールを送った。

1位から4位まで1秒差で順位が決まるという、手に汗を握るハラハラ続きの今大会となった。今後、駅伝で関西を代表する大阪と京都、兵庫の三つ巴合戦をいつまた見られるのか分からない。そんな確率の低い珍しい大会であった。

大阪優勝の底力となったのは、大阪薫英女学院の中高生選手たちであった。彼女たちは、今年の全国高校駅伝で優勝した勢いに乗じて、アンカーの松田選手にたすきをつないでいった。

第33回全国女子駅伝-2京都も全世代充実した戦力に恵まれ、昨年に続く優勝間違いなしとの前評判であったが、ゴール一歩手前で先に力を使い果たしてしまい、惜しくも連覇を逃した。

兵庫も厚い選手層を抱え、優勝候補の一角に挙げられていた。果たして前半は評判通りであったが、中盤の高校生たちが力尽きて順位を落としてしまった。その後を受けた8区の中学生走者田中が区間1位の成績で1位との差30秒にまで縮め、アンカーの林田にたすきをリレーした。
林田選手は淡々と走り続け、いつの間にか愛知の鈴木選手と共に前を走る大阪と京都に追いつける程の位置についていた。競技場に入った林田選手は、短距離走者のモードに切り替わり、愛知を振り切ったが、一歩手前で大阪と京都に及ばなかった。ここで「もしも」は無意味であるが、もし高校生たちがもう少し力を出しきっておれば、兵庫は優勝していたかも知れない。

大阪の初優勝は第11回大会で、この時も京都と接戦を繰り広げている。
都大路での関西三都女たちの熱戦が何かを示唆するかのように、波乱含みの2015年が本格的に動き出す。
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2010年07月13日

2010 FIFAワールドカップ・大会を終えて


スペインの優勝

アフリカ大陸初めて開催の南アフリカ大会は、オランダとの格闘技のような試合をスペインが勝ち抜いて終幕を迎えた。スペインは、優勝チームのかくあるべき姿をはっきりと示してくれた。今回のスペインは、個人技が際立った選手たちの終始一貫した強力なチームワークで初めての優勝を実現した。オランダも個人技とチームワークが優れていたが、最後の土壇場で守備の崩れがスペインより早く起きたために勝利を逃してしまった。名ゴールキーパーのカシージャスと体を張って立ちはだかるプジョルに代表される鉄壁の守備が最後までオランダの攻撃力を封じ、イニエスタとシャビの正確なパス回しと果敢な攻撃は最後まで切れることはなかった。優れた個人技に裏打ちされた全員守備と攻撃のバランスがとれた理想のチームであった。そして華麗なパス・サッカーが世界を制覇した。

最優秀選手フォルランとウルグアイチーム

フォルラン今大会のMVP=ゴールデンボール賞に選ばれたのは優勝チームからではなく、4位ウルグアイのエースストライカー、ディエゴ・フォルラン選手であった。
ウルグアイは地味ではあるが、粘り強い堅実なチームで大会を通じて忘れがたい印象を残した。16強対戦の韓国戦では、先制点をあげると攻撃を弱め、韓国が同点に追いつくと、再び攻撃の勢いをあげて1点を入れ、その後は守り抜くという欲のない試合運びは、とても紳士的であった。相手構わず牙むき出しのアルゼンチンとは対照的であった。
中でもフォルランは、大会前の評判に話題にも上らなかったが、全試合を通じて豪快なシュートを何度も決めて世界中を気分爽快にしてくれた。鷲鼻の強面であるが、反則やラフプレーが見られず、その試合振りは武士や騎士のような気風が感じられた。 最多得点者4人の中から彼を最優秀選手に選んだFIFAの判断は大変正しかった。
前評判の高かったブラジルのカカやポルトガルのロナウド、アルゼンチンのメッシらは不発に終わって期待はずれであったが、フォルランとの出会いがあったことは幸いであった。スペインのアトレティコ・マドリードでプレーする31歳の遅咲きのヒーローである。

アジアのサッカーはまだまだ発展途上

今大会の決勝トーナメント以降の各試合はとても見ごたえがあった。特に準々決勝の各対戦を見ていると、世界のサッカーはますますレベルが上がっていることに驚かされる。アジア勢の活躍が話題になった今大会ではあった。しかし、アジアは確かに技術的に上手くなってきているが、進化はまだまだ遂げていない。スペインやオランダが手抜きをせずに本気でかかってきたなら、アジアのチームは一溜まりもないであろう。彼らにとってアジア・チームとの対戦はコマつぶしでしかなく、次の強豪との対戦を控えてスタミナを温存できる相手と思っているようである。彼らのリップ・サービスを鵜呑みにせず、実力をつけるために必死に取り組まなければ、今後何回ワールドカップを迎えても足元にも及ばないであろう。
日本は守備に強くなったが、攻撃力がまだ弱い。韓国は守備力をもっと付けなければならない。神風や精神力云々では最早ヨーロッパや南米のサッカーに敵わない。実体のある体作り、技術、組織力を強化して実力がついた時に精神力も本領を発揮する。

演出するFIFA

FIFAは終始ワールドカップの付加価値と権威付けを追求してきた。そして、とうとう決勝戦用の試合球まで登場した。三位決定戦まで使用されたボールは、今大会不評の「ジャブラニ」(写真左)。このボールの黒色部分を金色にしたボール「ジョブラニ」(写真右)がスペインとオランダ戦に使われ、決勝の差別化・特別化が演出された。本来労働者階級の間でボール一個で遊べる庶民のスポーツとして普及した球技をここまで権威付け、特権化するとは、誰が想像しえたであろうか。ジャブラニジョブラニ


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2010年05月27日

2010 FIFAワールドカップ・日韓の温度差


2010年サッカー・ワールドカップがいよいよ6月11日から7月11日までの1ヶ月にわたって南アフリカ共和国で開催される。日本は4強入りを目指している。ところが、日本のメディアはなぜかあまりにも静か。大会が目前に近づいているのに、ワールドカップをテーマにしたテレビ・コマーシャルがあまり流れない。キリンビールのCMがやっと目に付くだけ。沖縄の米軍基地移転問題、宮崎牛の口蹄疫問題、角界の暴力団がらみの不祥事などなどの暗いニュースが続いているためにワールドカップ騒ぎではないのか。広告費節約のために6月になるまでCMを控えているのか。それにしても、ワールドカップへの盛り上がりに欠け、選手たちにとっては淋しい限り。勝つために国民的な応援が必須なのは、すでに証明されている。最近の韓国戦に負けた原因の一つはこの辺にあるのかもしれない。

キム・ヨナ一方、16強入りを今大会の目標と定めている隣の韓国では、一ヶ月以上も前から主だった大手企業がテレビ・コマーシャルを次々に流して、いわゆるワールドカップ・マーケティング戦争を開始している。ビッグ・スターたちが総動員されて、大会への活気がみなぎっている。次々と応援歌が作られ、様々なダンスがお茶の間に披露されて国中がすでにのりに乗って賑やかである。
ほとんどのコマーシャルが選手たちを鼓舞するための応援であり、みんながそれを楽しんでいる。

韓国CMに動員されたビッグ・スターたち

2010ワールドカップCM現代自動車のCMに起用されたアイドル・グルーブのビッグバンキム・ヨナ(写真)。

三星電子は、ガール・グループのカラ

SKテレコムは、歌手キム・ジャンフンサイピ(チョン・ジフン)

他にチャン・ドンゴンシン・ミナパク・チソンパク・テファン、その他の大物たちが次々と登場する。

ファン・ソノン バンド中でも2002年の大会に選手として出場したファン・ソノンユ・サンチョルチェ・ジンチョルキム・テヨンがワールドカップ・キャンペーンとして「ファン・ソノン バンド」を結成し、今大会を戦う後輩たちを勇気付けるための応援歌を歌い、別名「コウノトリ踊り」というダンスを踊って話題となった。このCMの男声合唱の力強いハーモニーが圧巻である。2002年の時に韓国の応援文化となった街頭大応援の光景が、あの時の感動を再現してみせる。

韓国伝統カジュアル・デニムブランドの「ジャムバンイー」がワールドカップ記念ティーシャツを発売し、大会への雰囲気盛り上げに一助している。

企業の宣伝だけではなく、ワールドカップ応援イベントへの参加呼びかけやワールドカップ善戦祈願のメッセージ伝達などの様々な広報もこぼれ落ちるように次々と展開されている。
 
日韓両チームの善戦と目標達成を祈願。
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2009年06月24日

美女たちのおしゃべり


美女たちのおしゃべり韓国KBSテレビが「グローバル・トークショー」として2006年10月から放送している長寿番組。タイトル「美女たちのおしゃべり」は、韓国語で「ミニョヅレ スダ」といい、「ミスダ」の略称で親しまれている。

2008年現在で韓国内に滞在する外国人の数が100万を超えている。1990年代の20倍に増加したとのこと。国際結婚の配偶者や外国人労働者、韓国の言葉・文化を学ぶためにやって来た留学生たちが主となっている。その中から若い外国人女性たちが選ばれて韓国語で本音を語るという内容。中には韓国語の方言まで見事にこなす人もいる。彼女たちの韓国語で語る話に見る者はぐいぐいと引き込まれ、いつの間にか夢中になっておしゃべりを聞いているという有様。韓国語の競演を展開する彼女たちのトークは、時に白熱し、必ず落ちがついて視聴者を笑いの渦に巻き込む。

この番組の中から、日英の両親をもつエバ・ポピエルというドラマ出演者やCM出演者まで誕生している。日本からもほぼレギュラーの「さゆり」を始め何人かが交代で出演している。

韓国テレビのCMに起用されたのは、韓国男性と結婚したイタリア女性のクリスティナと韓国人の母親の故郷プサンに滞在しているアメリカ人ビアンカ。
クリスティナは、イタリア訛りの韓国語が独特で、それだけでも人々を笑わせる。イタリア仕込みのユーモアとウィットに富んだ話術は爆笑へと発展する。自国では国際法を専攻し、現在、韓国の大学で国際法の講師をしているという。
ビアンカは一番若いが、慶尚道(キョンサンド)の方言で喋りまくり、韓国人も舌を巻くという達人。

この番組をきっかけにKBSの人気ドラマ「19の純情」にレギュラー出演したエバは、韓国語がとても正確に話せ、分かりやすい。母親の故郷日本と韓国の間を頻繁に往来している関係で、偶然旅行中にアン・ジェウクと出会ったことが噂にまでなったこともあるが、たまたま飛行機が一緒になっただけ。彼女のトークも英国ユーモアに支えられて、とても話上手で、必ず人々を嫌味のないすっきりした笑いに導いてくれる。最近のアンケートで、番組の外国人の中から韓国男性が一番お嫁さんにしたい女性に選ばれた。この結果に大満足のエバは、2009年に好きな韓国男性にめぐり会えなければ、そろそろ韓国から撤退すると言っている。

さゆりもかなり独特なキャラクターで人気者になっている。独りよがりに物事を決め付けるような話し方ではあるが、どこか憎めない愛嬌があるからという。

インジネシアから来たアマンダは、母親が韓国俳優シン・ヒョンジュン(天国の階段)の姉という。そういえば、二人の鼻がそれを十分に証明している。

その他にも韓国語がかなり出来て人々から注目されているのは、フィンランド人のタルー・サルミネン。早口にしゃべるが、発音が正確で、語彙がかなり豊富。

カナダのケベック州から来て三年目のドミニクの韓国語もレベルが高い。韓国に来る前は日本に滞在していたという。韓国の歌謡曲と歌手のことなら韓国人以上に詳しい。何かにのめり込んだら、最後まで行くというキャラクター。

ケニア人のユフレシアは、江原道(カンウォンド)の三捗(サムチョク)に留学中。いつもニコニコして番組の雰囲気を明るくする貴重な存在。話す内容も韓国社会をよく見ていると感心させられる。バス・ターミナルの行きつけの食堂で食べる海鮮スープが大好きという。安くて美味しいから。

タイ人のチャノックナンも韓国語が上手で、笑わせるのも得意。面白いキャラの持ち主。タイ語の掛け算の九九で大爆笑を誘った。

一番の美女ウズベキスタン人のクザル。彼女も韓国語のレベルが高く、美を鼻にかけない人柄は番組の雰囲気をさらに盛り上げる。

百人以上の外国女性が番組出演にエントリーしている。交互に20人ずつ出演する。彼女たちの一番の悩みは、いつか韓国を去る日が訪れるということ。日本と同様にアフター・サービスやクイック・サービスが進んでいる韓国から自国に帰ると、不便な日常生活が待ち受けているからだそう。もう一つは、食べなれた韓国食が食べられなくなるため。

毎週月曜日の夜、世界中からやって来た彼女たちのおしゃべりが弾ける。
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2008年08月25日

北京終わって見れば、すでにロンドンがそこに


イギリス国旗8月24日をもって北京五輪が華麗な式典を最後にその幕を下ろした。様々なドラマやストーリーを残した万国体育祭は、二階建てバスの一団にそのバトンを手渡し、ベッカムが次期オリンピックのキック・オフを宣言した。

開催国の中国は国別メダル獲得ランクでとうとう首位を占めた。その後に米国、ロシアと上位常連国が並んだが、その次の四位に座ったのは、何と2012年の次期オリンピック開催国、英国であった。メダル強国ドイツを抜いての大躍進振り。イギリスのオリンピック開催にかけるかつてない熱意が感じられる。終わって見ると、イギリスの存在が急浮上した北京大会であった。

オリンピック開催権を獲得するために、派手に誘致を進めるパリ市の後ろで着々と勝機を整えていったイギリスは、この頃からすでにロンドン開催を念頭においてメダル獲得順位にこだわり始めていたと思われる。多分プロジェクトを立てて選手強化を進めていたのであろう。前回のアテネの時にすでにその芽が出ていた。金9個、銀9個、銅12個、合計30個で上位圏には入っていた。そして、今回の大会では金19個、銀13個、銅15個、合計47個の第四位。

イギリスは1896年の近代五輪第一回大会以来の参加国で、1908年と1948年にロンドンが開催地となった。1908年の大会では金55個、銀46個、銅35個、合計136個を獲得して第一位に輝いている。その後、メダル数が減少して行き、1948年の大会では、開催国であるにも拘らず、金3個、銀14個、銅6個、合計23個とあまり振るわなかった。第二次世界大戦後のイギリスの経済力衰退と比例するかのように、オリンピックの成績は毎回低迷し続けてきた。

サッチャー以降の経済改革が功を奏して、イギリスは今、欧州の中で好景気を謳歌する国の一つとなっている。かつての世界帝国の栄光を再現しようとするかのように、今、大会ホスト権を獲得したイギリスは、オリンピックにおいても昔の栄光の夢を追い求めているようである。水泳競技用の驚異の水着メーカー、スピード社の存在もそんなイギリスの野心を裏づけしていると言っても過言ではない。

イギリスが伝統的に得意とする種目は、陸上、乗馬、水泳、ボートやセーリングなどの水上競技、ボクシング、自転車など。今回の大会では、体操や柔道、テコンドなどでもメダルを獲得するか、入賞している。
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2008年08月22日

オリンピックの解説者とアナウンサー


`オリンピック解説者オリンピックもいよいよ最終日を迎えようとしている。そのオリンピックをテレビ観戦していて、とても気になることがあった。

その一つは、解説者とアナウンサーの関係。
卓球の実況アナウンサーは何かと物議をかもしているようであるが、先日の個人戦を見ていて不愉快の極みに達したのは、彼の解説者に対する態度。解説者は卓球界の役員らしいが、彼の話し方は確かにかったるいところがある。何か話してもアナウンサー氏の相槌がない。解説者が解説らしいことを話し始めるや、無視するかのようにゲームの展開を一方的に追いかける。甲高い声で。それが一度や二度くらいなら仕方ないと思えるが、競技中ずっと相槌らしい言葉をアナウンサーから聞けなかった。何度か解説者が話しかけても、「そうですね」くらいの一言もなく、故意に無視するかのように無言。まるで相手がいないかのように。ついに解説者の言葉尻には、話す意欲をそがれ、もう何も話す気になれないという諦め感がにじみ出ていた。一生懸命知らせるという自分の職務を果たすのはよく分かるが、コミュニケーションを本職とするアナウンサーにしては、あまりにも相手とのコミュニケーションを軽視した態度。こんなやり取りを見せられた視聴者には、あまり気持ちのいいものではない。両者の和気藹々で丁々発止のやり取りを見たいものである。

もう一つは、解説者の言葉遣いや話し方。
陸上短距離競走を見ていて、解説者の話し方がとても耳障りに感じられた。時間が経つに連れてイライラの度合いが大きくなり、精神的なストレスとなった。その人はいつもそのような話し方をされているのだろうか。話すことの素人であっても、解説者に指名されたなら、話し方の勉強をされて、聞く者の共感を得られるよう最善の努力をすべきであろう。
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