2010年02月02日

豪商・金萬徳(キム・マンドク)


豪商・金萬徳KBSが今年掲げる歴史ドラマのテーマは、「ノーブレス・オブリージュ」(Noblesse Oblige 位高ければ、徳高きを要す)の精神。その第一作が現在放送中の「名家(ミョンガ)」で、第二作がこの「豪商・金萬徳」。第三作は独立運動家を描いた「李会英(イ・ヘヨン)」が予定されている。

「豪商・金萬徳」は、この36日から「名家」の後を受けてスタートする。
主演のイ・ミヨン(写真右から二人目)は、「明成皇后」以来8年ぶりの歴史ドラマで主人公の金萬徳を演じる。子供時代を演じるシム・ウンギョンは、以前ファン・ジニの幼少期を好演して名子役の呼び名が高い。
金萬徳の宿命のライバル役として、久しぶりにパク・ソルミがお茶の間に戻ってくる。

助演のコ・ドゥシムは、若かりし1976年、MBCのドラマ「チョンファ」の中で萬徳を演じた人で、30余年ぶりにKBSの金萬徳周辺人物として出演することになり、話題を呼んでいる。

父親役は、「千秋太后」の中で康兆(カン・ジョ)に扮したチェ・ジェソンが演じる。

他にキム・ガプスキム・ビョンギイム・ヒョクパク・スンチョンらが出演する。
演出は、カン・ビョンテク、キム・ソンユンの両PD
脚本はキム・ジンスク。

金萬徳(1739-1812)

朝鮮王朝後期の女性商人。済州島の大飢饉で餓死寸前の人々を救出するために全財産を投じて内地で購入してきた米を島民に分け与えた。このため、済州島では彼女を義女と呼ぶ。

豪商・金萬徳1739年、仲介商人の娘として生まれたが、幼くして父親を嵐で、母親を伝染病で失い孤児となった。一旦親戚の家に引き取られたが、年老いた引退妓生の元に養女として出された。大人になった萬徳は、妓生が人々の蔑視を受ける職業であることを知り、済州牧使(島の行政官)に直訴して本来の良民の身分を取り戻した。両親から受け継いだ良民として客主(商品売買の仲介をしたり商人に宿を提供する店)を開業し、済州島の特産物を内地の商品と交換して販売する商業で大儲けした。この頃は、第21代国王英祖の治世で、朝鮮国内の商業が飛躍的に発展した時代であった。この流れは次の正祖王の下でも継続した。金萬徳はそんな時代の変化をよく読み取って成功したのである。自分が事業で成功していい暮らしが出来るのは天の思し召しであると信じた彼女は、大商人になっても質素な暮らしを変えなかった。

1793年から深刻な凶作が続き、済州島の村々で600名以上が餓死した。1795年に朝廷の輸送船が沈没して食料救援政策が失敗すると、見かねた金萬徳は自分の全財産を投げ出して米を買い付け、飢えで苦しむ島民に配ってあげた。「ノーブレス・オブリージュ」を実践したのである。翌1796年、時の国王正祖は義女金萬徳を王宮に呼び寄せ、その徳行を褒め称え、彼女の願い事を叶えてあげると約束した。金萬徳の望みを聞いた王は、「済州島民は官の許可なく島の外に出てはならない」という規則にも拘わらず、漢陽(現ソウル)の王宮と金剛山の見物を特別に許可してあげた。さらに、内医院医女班首という官職まで与えて彼女の善行に報いた。1812年、金萬徳は73年を一期にあの世へ旅立った。

現在、済州島では彼女の徳行を記念して萬徳賞を制定し、漢羅文化祭の時に模範女性を選んで賞を与えている
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2010年01月19日

トンイ


トンイ2010年3月にMBCで放送がスタートする歴史ドラマ。「チャングムの誓い」のイ・ビョンフン監督が2007年の「イ・サン」以来3年ぶりにメガホンを握る。MBC側としては、2009年の「善徳女王」成功の勢いを2010年にも「トンイ」で継続させようという意気込みである。

トンイというのは、第21代朝鮮国王英祖(イ・サンこと正祖の祖父)の生母で、第19代粛宗の側室である淑嬪崔氏の本名。賎民出身の彼女の波乱万丈の人生と息子が英祖王になって劇的な成長を遂げていく姿を描く。

崔淑嬪(チェ・スクピン)と言えば、中殿(中宮に相当)の仁顕王后(イニョンワンフ)と張禧嬪(チャン・ヒビン)の存在を抜きにして語れない。仁顕王后は彼女が仕えた主人で、張禧嬪は宿敵である。張禧嬪側から見れば、崔淑嬪は陰険な告げ口女といわれる。三人は、その生きた時代に最も熾烈であった男たちの党派闘争の真っ只中に巻き込まれた女たちであった。

イ・ビョンフン監督の前作「イ・サン」(正祖)へのこだわりが感じられる。彼の血筋で最も近い上流の曾祖母トンイと祖父の苦難の生涯を描いて、イ・サンがこの世に登場した意義を確かめるかのようである。

演出は、イ・ビョンフン監督とキム・サンヒョプPD。
脚本は、「イ・サン」を書いたキム・イヨン作家。

主役のトンイを演じるのはハン・ヒョジュ(写真右)。彼女が主演するドラマはいずれも大当たりしている。初めての歴史ドラマ「一枝梅」での好演が評判を呼び、今回の抜擢につながっている。
国王粛宗は、「チャングムの誓い」、「スポットライト」のチ・ジニ(写真左)が演じる。
「一枝梅」の中でハン・ヒョジュの子役を務めたキム・ユジョンが再びトンイの子供時代を演じる。演技大賞で授賞した名子役の呼び名が高い一人である。

他に助演陣としては、ペ・スビンチョン・ジニョンイ・ソヨン(張禧嬪役)、チェ・ラン(張禧嬪の母役)、キム・ヘソン(チョン尚宮役)、パク・ハソン(仁顕王后役)、キム・ユソクイ・ジョンギルイ・ゲインなどと豪華な顔ぶれである。

党争(党派闘争)と女たちの代理戦争

粛宗の時、朝廷内では西人南人の二つの党派が熾烈な権力争奪戦を繰り広げていた。国王も王権強化のためにこの二つの党派を闘わせて利用した。

本家中国の儒教勢力も早くから論争のために各党派に分裂してお互いに足を引っ張り合った。このような儒教が内包する問題点を、朝鮮王朝の儒教勢力である士林たちも踏襲した。
最初の分裂は、宣祖の治世下での東人西人の二つの派閥であった。東人が西人に勝つと、東人の中で対立が起こり、北人南人に分裂した。政権の座にあった北人は、王位継承をめぐって、嫡子永昌大君を支持した小北派と庶子光海君を支持した大北派に分裂した。光海君の即位が成功すると大北派が実権を握り、小北派を壊滅させた。この二つの派閥が潰し合っている間に、西人たちは南人と組んでクーデタの準備を着々と進めていた。光海君を降格させて仁祖擁立を成功させた西人と南人ではあったが、実権を握ったのは西人側であった。この後粛宗の時代になると、西人の中でも対立が生じて老論少論に分裂し、主導権を握った老論が南人と相対した。

仁顕王后とその侍女であったトンイは老論側の人間であった。張禧嬪は南人が王宮に送った後宮であった。
粛宗は表の政治舞台で西人系老論と南人両勢力の間を行き来し、それに合わせて寵愛する女性を変更していった。張禧嬪の転落と共に南人派は後退し、再び少論派が戻ってきて老論と激闘を繰り広げた。
最終的に、トンイの息子英祖が王位に就くことで老論の天下となるが、英祖は党争を抑制するために両派の平衡政策を進めた。この間、少論派は英祖の息子である思悼世子に接近し、老論の攻勢に負けて彼の悲劇を生み出した。思悼世子の嫡男イ・サンこと正祖が祖父英祖から王位を継ぐと、老論が制裁を受けて失脚し、少論が優位に立った。正祖は有能な人材の多かった南人も多く重用した。

正祖の政治路線に賛同した南人と少論、一部の老論が時派を形成し、老論が保守の僻派となって二党派の時代を迎えた。正祖の死去により、僻派の老論が勢力を取り戻し、朝鮮王朝の滅亡まで政治の主導権を握ってきた。

放送終了

10月12日をもって「トンイ」は最終回(全60回)を迎えた。終盤になって視聴率が30%台から20%台に下がり、競合するSBSの「ジァイアント」に追い抜かれてしまった。前半に見られた劇的なストーリーが平板になってしまったのは否めない。
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2010年01月06日

名家(ミョンガ)


名家KBS 1TVが1月2日から放送を開始した16話ものの歴史ドラマ。KBSの大河歴史ドラマが「世宗大王」と「千秋太后」の視聴率不振で低迷し、KBSが誇ってきた大河歴史ドラマの伝統復活をかけて企画された短編である。

舞台は17世紀初頭の仁祖王の時代。主人公のチェ・クッソンは慶州名門の両班家庭の若様。地方の名士で、一門の支柱であった祖父が朝鮮に侵攻してきた清国との戦いの最中に戦死するや、一家は経済的に没落していく。祖父の思想に目覚めたクッソンは、一家の再興を図るために官職を捨て、商業の道に生き方を見つける。数々の障害を乗り越えて莫大な富を築き、その後12代200年にわたって大富豪の地位を継続してきた慶州チェ氏の始祖となる。クッソンは、人が何よりも大切だ、と説いていた祖父の教えを守り、蓄積した全財産を社会のために還元し、「ノーブレス・オブリージュ」を実現する。彼の良妻は、チェ家に嫁入りした女性たちが新婚3年間は木綿の服を着るという家風を身をもってうち立てた。チェ・クッソンを演じるのは、時代劇初めてのチャ・インピョ。富豪チェ家の最後の当主チェ・ジュンとしても二役で出演する。

チェ・クッソンの心の女性であり、彼の商才を目覚めさせ、相棒ともなる元名門両班家閨秀のハン・タニを演じるのは、ハン・ゴウン。時代劇に度々出演している。

チェ・クッソンの前に立ちはだかる敵対者、キム・ウォニル役はキム・ソンミンが演じる。ウォニルはチェ家の小作管理人の倅であったが、不正を働いた父親と共に夜逃げする。後に父親がお金で買った両班の身分を利用して官職に就き、クッソンの前途を妨害する。しかし、それが災いして元の身分が発覚し、転落する。
クッソンの祖父役は特別出演のキム・ヨンチョル、良妻役はコ・ジョンミンが演じる。他に歴史ドラマ常連のチョン・ドンファン(ハン・タニの養父役)、イ・ヒド(ウォニルの父役)らが出演する。

演出するのは、イ・ウンボク、チョン・ウソンの両PD。
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2010年01月02日

2009演技大賞


韓国のテレビ三局が年間ドラマを締めくくる、毎年末恒例の演技大賞授賞式が12月30日から31日にかけて各放送局の公開ホールで開催された。

2009演技大賞KBS三局の中でKBSの授賞式が一番際立っていた。その一つには、出席した俳優やタレントの顔ぶれがダントツに多彩であったことがあげられる。一年を振り返ってみて、KBSのドラマ一つ一つがどれも実のある作品であったと感じられた。大河歴史ドラマ「千秋太后」が視聴率で振るわず、「アイリス」がKBSドラマの頂点に上った。そして、主演のイ・ビョンホンに大賞が贈られた。SBSの「オールイン」以来の受賞となる。

2009演技大賞MBC大河歴史ドラマ部門では、MBCの「善徳女王」が有無を言わさずに優れていた。主役の一人、美室(ミシル)のキャラクター表現が際立っていたコ・ヒョンジョンが、歴史ドラマ初出演で大賞の栄誉を手にした。また、独特のキャラクターで人気を博したピダム役のキム・ナムギルが優秀賞を獲得し、花郎アルチョン役で大ブレークしたイ・スンヒョが新人賞に選ばれた。
コ・ヒョンジョンの大賞受賞スピーチは、淡々と無駄口の少ない、好感の持てるものであった。
ただ、授賞式典は、他局でのようなショー的企画が弱く、これまでとあまり代わり映えしない授賞中心で進められた。賞の数が多いためであろうか。

2009演技大賞SBS一方、SBSの授賞式は、オープニング・ショーから始まって、中間にも俳優・タレントたちによる音楽やダンスなどの特別ショーを織り交ぜての華やかな進行であった。中でも、「オールイン」のテーマ曲を哀愁こめてトランペット演奏したペ・スビンの多才ぶりが光っていた。
大賞に選ばれたのは、「妻の誘惑」のチャン・ソヒ。これをきっかけに三年続いたスランプから脱した、と受賞スピーチで語った。
他局では花の贈呈が見られなかったが、SBSでは大量の花束が行き交った。
「アベルとカイン」のソ・ジソプの出席が会場の雰囲気を盛り立てていた。

夫婦で受賞
KBSの「アイリス」で優秀演技賞に輝いたキム・スンウの場合、夫人のキム・ナムジュがMBCの「内助の女王」で最優秀賞を得ている。夫婦揃っての受賞となる。

ユン・サンヒョン
2009年が当たり年になった。MBCの「内助の女王」で最優秀賞を獲得し、KBSでは、「お嬢さんをお願い」で人気賞とベスト・カップル賞に選ばれている。

チェ・チョロ
KBSとMBCで受賞した。KBSの「千秋太后」、「熱血商売人」、「パートナー」に出演し、助演賞に選ばれ、MBCの「内助の女王」で優秀賞に輝いた。長い脇役を経た後、KBSの大河歴史ドラマ「テ・ジョヨン」に出演してブレークした。以来、引く手数多の中堅俳優となっている。

ナ・ヨンヒ
MBCの「内助の女王」で黄金演技賞、SBSの「スタイル」で助演賞を受賞し、当たり年となった。

功労賞
KBSは故ヨ・ウンゲに、MBCはPD賞の名目で「善徳女王」の中でも渋い演技が光ったシン・グに、SBSは50年の芸歴を誇り、「燦爛たる遺産」にも出演したパン・ヒョジョン女史に贈った。

最優秀賞または最優秀演技

KBS:
男) ソン・ヒョンジュ(ソル薬局の息子たち)
女) チェ・シラ(千秋太后)

MBC:
男) オム・テウン(善徳女王)
      ユン・サンヒョン(内助の女王)
女) キム・ナムジュ(内助の女王)
      イ・ヨウォン(善徳女王)

SBS:
男) ソ・ジソプ(カインとアベル)
女) キム・ミスク(燦爛たる遺産)

演技賞または優秀演技賞または優秀賞

KBS:
男) オ・マンソク(みんな一緒にチャチャチャ)
      チ・ジニ(結婚できない男)
      キム・スンウ(アイリス)
      チョン・ジュノ(アイリス)
      キム・ソックン(千秋太后)
女) チョ・アン(みんな一緒にチャチャチャ)
      キム・アジュン(ただ見つめていたら)
      ク・ヘソン(花より男子)
      キム・テヒ(アイリス)
      ユ・ソン(ソル薬局の息子たち)

MBC:
男) キム・ナムギル(善徳女王)
      チェ・チョロ(内助の女王)
女) コ・ナウン(宝石ピビンパプ)
      イ・ヘヨン(内助の女王)

SBS:
男) パク・シフ(家門の栄光)
      イ・スンギ(燦爛たる遺産)
       チャ・スンウォン(シティホール)
       ピョン・ウミン(妻の誘惑)
       チョン・ギョンホ(自鳴鼓、君笑って)
女) ハン・ヒョジュ(燦爛たる遺産)
      キム・ソナ(シティホール)
      キム・ソヒョン(妻の誘惑)
      ユン・ジョンヒ(家門の栄光)

新人賞

KBS:
男) イ・ミノ(花より男子)
女) キム・ソウン(千秋太后、花より男子、結婚できない男)

MBC:
男) ユ・スンホ(善徳女王)
       イ・スンヒョ(善徳女王)
女) ソ・ウ(耽羅島・手に入れとうござる)
      イム・ジュウン(内助の女王)

SBS:
男) キム・ボム(ドリーム)                          イ・ヨンウ(スタイル)
      チョン・ギョウン(千万回愛してる)      イ・ホンギ(美男ですね)
      チョン・ヨンファ(美男ですね)              キム・テヒョン(天使の誘惑)
女) ソン・タムビ(ドリーム)                         イ・ミンジョン(君笑って)
      オ・ヨンシル(妻の誘惑)                      パク・シネ(美男ですね)
      イ・ソヨン(天使の誘惑)                       イ・テイム(ためらわないで)

子役賞または青少年演技賞

KBS:
男) パク・チャンイク(青春礼賛)
女) パク・ウンビン(千秋太后)

MBC:
男) イ・ヒョンソク(生き甲斐を感じます)
女) ナム・ジヒョン(善徳女王)
      チョン・ミンソ(よくやったよ、よくやった)

SBS:
男) チョン・ユンソク(妻の誘惑)
女) キム・スジョン(二人の妻)

助演賞または黄金演技賞

KBS:
男) チェ・チョロ(千秋太后、熱血商売人、パートナー)
  ユン・ジュサン(ソル薬局の息子たち、アイリス)
女) ムン・ジョンヒ(千秋太后)

MBC:
男) アン・ギルガン(善徳女王)               カン・ナムギル(縁作り)
      キム・チャンワン(内助の女王、トリプル)
女) ソ・ヨンヒ(善徳女王)    チョン・エリ(やめられない、よくやったよ、よくやった)
     キム・ヨンオク(宝石ピビンパプ)       チョン・ヘソン(宝石ピビンパプ)
     ナ・ヨンヒ(内助の女王)

SBS:
男) カン・ソグ(君笑って)                        ペク・スンヒョン(カインとアベル)
      チェ・ジュニョン(妻の誘惑)
女) チャ・ファヨン(天使の誘惑)         ナ・ヨンヒ(スタイル)
      イ・ヒヒャン(千万回愛してる、純潔なあなた)

ベスト・カップル賞

KBS:   イ・ビョンホン+キム・テヒ(アイリス)
      イ・ピルモ+ユ・ソン(ソル薬局の息子たち)
           ユ・サンヒョン+ユン・ウネ(お嬢さんをお願い)
           イ・ミノ+ク・ヘソン(花より男子)

MBC: キム・ナムギル+イ・ヨウォン(善徳女王)

SBS: イ・スンギ+ハン・ヒョジュ(燦爛たる遺産)

人気賞またはベスト・スター賞

KBS:  ユン・サンヒョン(お嬢さんをお願い)
           ユン・ウネ(お嬢さんをお願い)
           キム・ソヨン(アイリス)

MBC:  イ・ジュンギ(ヒーロー)
            ソ・ウ(耽羅島・手に入れとうござる)

SBS: ソ・ジソプ(カインとアベル)            チャ・スンウォン(シティホール)
         イ・スンギ(燦爛たる遺産)            ペ・スビン(燦爛たる遺産、天使の誘惑)
         チャン・グンソク(美男ですね)
         チャン・ソヒ(妻の誘惑)                キム・ソナ(シティホール)
         ハン・ヒョジュ(燦爛たる遺産)      イ・スギョン(千万回愛してる)
         キム・ヘス(スタイル)

ネッティズン賞またはネッティズン最高人気賞

KBS: イ・ビョンホン(アイリス)
          ク・ヘソン(花より男子)

SBS: チャン・グンソク(美男ですね)

作家賞

KBS: チョ・ジョンソン(ソル薬局の息子たち)

MBC: キム・ヨンヒョン+パク・サンヨン(善徳女王)

他にMBCの今年のドラマ賞は「善徳女王」が選ばれている。


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2009年12月15日

済衆院(チェジュンウォン)


済衆院-12010年1月4日からSBSテレビで放送がスタートする、キム・ジョンハクプロダクション制作の36話ものメディカル歴史ドラマである。舞台となるのは、朝鮮王朝末期の1870年代から1910年前後までの時期。すなわち鎖国から開国となり、日本の植民地に転落していく亡国の時代に、遥か昔から抑圧と差別を受けてきた最下層階級白丁(ペッチョン)出身の倅が、社会改革によって身分制度が廃止されたにも拘わらず、依然として激しい差別が続く環境の中でも医学を志し、朝鮮最初の西洋医学の医師となっていく姿を描く。

済衆院-2主人公のファン・ジョンは、実在人物パク・ソヤンをモデルにしている。演じるのは、「武人時代」以来久しぶりの歴史ドラマ出演となるパク・ヨンウ(写真右)。最下層の白丁の家に生まれたが、封建的身分制度の廃止に伴い、西洋医師になる決心をし、済衆院の医学生となる。制度は廃止されたが、依然厳しい身分差別を受けつつも、自分の志を貫き、外科医師として成功していく。
実在したパク・ソヤンは白丁出身でありながら朝鮮最初の西洋医師として記録されている。

もう一人の主人公、恵まれた両班家庭に生まれ、早くから西洋の文物に目覚めて西洋医師になろうと済衆院に入るペク・トヤンを演じるのは、ヨン・ジョンフン(写真左)。ペク・トヤンは身分にこだわり、ファン・ジョンを敵視するが、後に医師としての彼を認めることになる。

ヒロインのユ・ソンナンは宮廷訳官の娘で、自らも通訳官となって済衆院に入るが、途中で医学を志し、女医として成長していく。演じるのは、「朱蒙」以来三年ぶりの時代劇出演となる史劇クイーン、ハン・イェジン(写真中央)。

他にキム・ガプスカン・ナムギルらのベテラン俳優が布陣している。

演出は、「神の秤」、「江南ママに追いつけ」のホン・チャンウクPD
脚本は、韓国版「白い巨塔」を書いたイ・ギウォンで、彼の同名小説を原作にしている。

済衆院

済衆院(チェジュンウォン)というのは、韓国最初の近代西洋式病院で、現在のセブランス病院の前身といわれる。

1876年、日本との江華島条約締結をきっかけに、長い鎖国時代が終わりを告げ開国の時代に入った朝鮮王国に、1880年代からは欧米諸国の進出も活発になった。その中でも米国からは多くの宣教師たちがやって来て、西洋式の教育で朝鮮の人材育成に携わった。

米国北長老会から派遣された宣教師で医師のH.N.アレンは、1885年4月10日、国王高宗の許可を受けて韓国最初の西洋式国立医療機関広恵院(クワンヘウォン)を設立した。その12日後の4月23日、政府命令で済衆院と改名された。
1886年には、女医のA.J.エレーズが医療団に加わり、婦人科が設けられた。この女医は教育者としても高名で、韓国の女性人材を大勢育てた人である。1938年に韓国で亡くなり、揚花鎮外人墓地に埋葬されている。

済衆院は病院だけではなく、医師などの医療従事者を養成する機関でもあった。

最下層民の白丁(ペッチョン)

1894年の改革により身分制度が廃止され、制度上はなくなった最下層の身分であった。それまでの彼らは、主に屠殺や肉類の販売、行李などの柳器を作って販売する職業に就き、彼らだけの特殊な村を形成して、一般民とは隔絶して暮らしてきた。
一方、賤民であることを除いては、同じ最下層の奴婢が誰かの所有財産であったのに対して、戸籍のない民として税や様々な賦役を免除され、拘束を受けることはなかった。
しかし、彼らに対する偏見はひどく、一般人は、彼らを人間以下の畜生とみなして、すさまじい蔑視を平然と行ってきた。この辺の事情は、いくつかのドラマの中に登場している。身近な例として、「宮廷女官チャングムの誓い」や「新別巡検」第一話の中で白丁のことが表現されている。

白丁の始まりは、ジプシーと呼ばれたロマの人々のように放浪の民であったが、定着民となってからは、日本の部落民のような被差別賎民の扱いを受けるようになった。

白丁の起源は、高麗時代に出現した楊水尺(ヤンスチョク)といわれる。楊水尺というのは、「高麗史」によれば、高麗の太祖王建が後百済を征伐した時、最後まで抵抗し、制圧できなかったために鴨緑江の外に追放された人々で、その子孫たちが父祖の地に流れ着いて住みついたとされる。別の説では、一般的に女真や契丹などの北方民族の帰化人たちであるという。
定着するようになった彼らは、一般民衆の中には溶け込めず、水草を摘んで柳器を作って売ったり、放浪しながら狩猟したり、遊牧生活の中で培ってきた技術を活かした屠殺肉商、旅芸人などを生業にして特殊部落を形成して暮らした。
また、「高麗史」によれば、楊水尺は戸籍や賦役のない放浪集団で、特に柳器匠家からは妓生が生まれたという。

朝鮮王朝の世宗の時、一度は朝廷が彼らを良民化しようとして、呼称を白丁と改めるが、これによって差別はなくなるどころか、むしろ白丁に対する蔑視が本格化するきっかけとなった。高麗時代の楊水尺は、蔑視の対象というより、北方遊牧民気質のために人々から恐れられて忌避された特殊な人々であったといえる。

元々は白丁の一種であった旅芸人のクワンデや妓生は、卑しい身分の芸人といわれても、白丁とは呼ばれなかった。妓生の場合、謀反人となった両班階級の妻や娘が官婢の妓生になることが多々あったことも考え合わせると、白丁と呼べなくなったのかも知れない。
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2009年11月20日

推奴(チュノ)


推奴現在放送中の人気サスペンス・ドラマ「アイリス」の後続作として、2010年1月6日からスタートする「推奴」(チュノ)。KBSのアクション大作史劇という新ジャンルに区分される。「一枝梅」と同じ第16代仁祖治世の時代が舞台となる。

推奴というのは、逃亡した奴婢を追跡する奴婢狩りのこと。この推奴と逃走する奴婢との一大追跡戦を描いた作品である。
主役の残忍で冷酷な推奴テギルに扮するのは、チャン・ヒョク(写真中央)。もう一人の主役で、追われる逃亡奴婢テハをオ・ジホが演じる。ヒロインのヘウォン役はイ・ダヘ
ヘウォンは元々奴婢であるが、特権階級両班家の閨秀に納まって身分を隠している、訳あり女性。
推奴テギルは、両班家庭の若様だったが、奴婢の一人が逃亡の際、家に火をつけたために一家は没落した。奴婢への憎悪のあまり、テギルは奴婢狩りとなり、逃亡奴婢を捕らえる仕事に執念を燃やす。そんな最中、奴婢テハが逃亡し、テギルは容赦なく追跡する。
奴婢テハは、元は両班武将で、税穀横領の濡れ衣を着せられて捕まり、奴婢にされた人。清国寄りの王太子昭顕世子を毒殺した国王仁祖派の企みに巻き込まれたためである。

他に清国の将軍ヨンゴルテ役のユン・ドンファンイ・ジョンヒョクハン・ジョンス(写真右)、キム・ハウンコン・ヒョンジンキム・ジソク(写真左)、デニー・アンなどが出演する。
特に女心をとらえる魅力的な四人衆(チャン・ヒョク、オ・ジホ、キム・ジソク、ハン・ジョンス)が目玉となっている。

演出は、「花咲く春が来れば」や「漢城別曲」のクァク・チョンファンPD
脚本は、映画「七級公務員」を書いたチョン・ソンイルが担当する。

奴婢

古代から存在する奴隷のような最下層の人々。家畜のように主人が自由に売り買い出来た。牛一頭の値段以下の人もいた。男のほうを奴、女は婢、両方合わせて奴婢と言った。官公庁が所有する官奴婢と個人所有の私奴婢が存在した。また、比較的自由が与えられて、税を納めることで外で独立して住むことが許された外居奴婢もいた。

奴婢になる人々は、主に戦争捕虜や犯罪人であったが、黄真伊のような妓生も官奴婢で、その子供も自動的に母親に従って奴婢とされた。同じ最下層の役者や芸人でも、四堂(サダン)やクワンデといった旅芸人たちは奴婢の妓生のように束縛されることもなく、身分は卑しいが、自由民であった。

朝鮮王朝時代、特権階級両班家の人たちであっても、家長が大逆罪に問われると一挙に身分転落して奴婢とされた。あの「茶母・チェオクの剣」のチェオクのケースがそれである。高官であった父親が謀反の罪を着せられて自刃すると、残された母親と兄、チェオクは義禁府の役人に追われる身となる。兄は無事に逃れたが、母親とチェオクは官奴婢として生き別れることになる。

朝鮮王朝時代の特権階級両班という身分は、昔の貴族のような固定した上流階級ではなかった。永久の身分保証のない流動的上層階級であった。

推奴

逃亡した奴婢を捜索したり、連行する仕事人のこと。また、独立した外居奴婢たちからその主人が税として貢布を納付させることも推奴と言った。
主人から遠く離れて自由になった奴婢といえども、その奴籍は主人の元に残り、主人が要求すれば、税を納めなければならなかった。

久々の秀作

「推奴」はスタート当初から30%以上の高視聴率を記録し続けている。それもそのはず。演出・脚本・演技の三位一体が完成した、久々の秀作である。演出のクァク・チョンファンPDのシャープな感覚がとても冴えている。脚本を書いたチョン・ソンイル作家の人間描写、ストーリーの構成・展開のうまさは、目を見張るものがある。映画の世界で鍛えてきた実力を遺憾なく発揮している。音楽と映像も良し。登場人物を演じる役者たち全員の演技力がどれも個性的で素晴らしい。どんな終末を迎えるのか、片時も目が離せないドラマである。
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2009年09月27日

日本の時代劇と韓国の史劇


日本の時代劇と韓国の史劇制作の場で、放送局が選ぶ時代と人物たちを比較してみる。そこに見えてくるものは......?

日本の時代劇で度々取り上げられる時代と人物たち

忠臣蔵「忠臣蔵」の大石内蔵助と赤穂浪士たち
宮本武蔵と佐々木小次郎
戦国時代の豊臣秀吉、織田信長、徳川家康、真田幸村、石川五右衛門、寧々、淀君
戦国時代名将対決の武田信玄と上杉謙信
幕末と明治維新期の西郷隆盛、坂本龍馬、近藤勇、土方歳三、沖田総司、鞍馬天狗
その他江戸時代の水戸黄門、徳川吉宗、大岡越前守忠相、遠山金四郎、銭形平次、ねずみ小僧、清水次郎長と森の石松、大奥、丹下左膳
平家物語の時代から鎌倉初期の源義経、弁慶、源頼朝など

韓国の史劇で度々取り上げられる時代と人物たち

高麗末期と朝鮮王朝建国期: 恭愍王(高麗王)、魯国公主(王妃)、辛盹(シンドン)、李成桂(朝鮮王朝太祖)、李芳遠(後の第三代太宗)
朝鮮王朝期: 世宗大王、首陽大君の王位簒奪と幼君端宗の悲劇・死六臣たち、李舜臣、暴君・燕山君とチャン・ノクス、中宗とその王室人物たち、黄真伊、張禧嬪と仁顕王后、英祖と正祖、大院君と明成皇后(閔妃)、
架空の人物として、洪吉童(ホン・ギルトン)、一枚梅(イルチメ)、成春香(チュニャン)と李夢龍、沈清(シム・チョン)

NHKの大河ドラマとKBSの大河歴史ドラマ

NHKの大河ドラマが始まったのは1963年で、2009年まで46年間計48本の作品を放送している。第一作は「花の生涯」。尊皇攘夷派の水戸藩士たちに暗殺された悲運の開国派大老・井伊直弼の生涯を描いた作品。
一方、KBSの大河歴史ドラマの第一作「開国」は1983年にスタートした。高麗王朝の滅亡と李成桂の朝鮮王朝建国の歴史を描いている。以来今日まで26年間放送してきている。KBSだけではなく、民放のMBCとSBSも大河史劇の放送枠を非定期的に持っていて、これまでに多くの大型歴史ドラマが放送されてきた。

戦国時代、忠臣蔵、幕末の日本

太閤記日本の歴史ドラマの定番ともいえる時代は、室町末期の戦国時代、幕末・明治維新期、江戸時代の各期、平安末期の源平時代など。

特に豊臣秀吉の太閤記、大石内蔵助の忠臣蔵または赤穂浪士、源義経と弁慶、武田信玄と上杉謙信、宮本武蔵、坂本龍馬、近藤勇と土方歳三の新撰組などは手を変え品を変え繰り返し描かれてきた。

NHKの大河ドラマの場合、豊臣秀吉が登場する戦国時代の作品は「太閤記」(1965)、「国盗り物語」(1973)、「黄金の日々」(1978)、「おんな太閤記」(1981)、「信長」(1992)、「秀吉」1996)、「利家とまつ」(2002)、「功名が辻(2006)、「天地人」(2009)他。
忠臣蔵または赤穂浪士関連の作品は「赤穂浪士」(1964)、「元禄太平記」(1975)、「峠の群像」(1982)、「元禄繚乱」(1999)など。
源義経と弁慶関連の作品は、「源義経」(1966)、「義経」(2005)など。
武田信玄と上杉謙信を描いた作品は、「天と地と」(1969)、「武田信玄」(1988)、「風林火山」(2007)、「天地人」(2009)など。
宮本武蔵を描いた作品は「武蔵」(2003)だけ。大河ドラマ以外や映画などでは何度も作品化されている。
坂本龍馬を描いた作品は、「龍馬がゆく」(1968)、来年放送の「龍馬伝」。

高麗滅亡と朝鮮王朝の建国、暴君と悪女を見据える韓国

チャン・ヒビン韓国ではラジオの時代の1905年頃からドラマが制作されてきた。その中でやはり繰り返し取り上げられる時代と歴史人物があった。

暴君・燕山君とその後宮で、妖婦と位置づけられたチャン・ノッス。
朝鮮王朝第19代粛宗の後宮で、朝鮮時代最高の妖婦と称された張禧嬪(チャン・ヒビン)と妃の鑑と歴史評価されている中殿・仁顕王后(イニョン・ワンフ)。

特に後の二人は、テレビ放送が始まった1961年から1990年代半ばまで群を抜いて繰り返しドラマ化されており、7本が確認されている。

・「仁顕王后伝」(1963年TBC開局記念ドラマ)
・「妖女・張禧嬪」(1975年MBC創社企画ドラマ)
・「張禧嬪」(1978年KBS大河ドラマ)
・「張禧嬪伝」(1982年MBC女人列伝)
・「仁顕王后」(1988年MBC朝鮮王朝500年)
・「張禧嬪」(1995年SBS大河史劇)
・「張禧嬪」(2003年KBS特別企画ドラマ、キム・ヘス<写真>主演)

KBSの大河ドラマだけを振り返ってみると、同じ歴史人物を取り上げた作品をそのままリメークすることはなかったが、ドラマの舞台となる時代では、やはり高麗の滅亡から朝鮮王朝の建国期、王朝初期の王室内紛期を経て安定期に入るまでの時代が、日本の戦国時代か幕末・明治維新期に匹敵するようである。

最近の韓国歴史ドラマの制作傾向

韓国放送界の最近の傾向としては、同じようなテーマで各局がそれぞれ歴史人物を設定して競争を図っているようである。

高句麗がテーマの年には、MBCが「太王四神記」、KBSが「大祚榮」(テ・ジョヨン)、SBSが「淵蓋蘇文」(ヨン・ゲソムン)を放送した。

その次の王がテーマの年には、MBCが「イ・サン」、KBSが「大王世宗」、SBSが「王と私」で競い合った。

美室ミシル今年の「女性権力者」がテーマでは、MBCの「善徳女王」、KBSの「千秋太后」、SBSの「王女自鳴鼓」(チャミョンゴ)が出揃った。現在放送中の「善徳女王」が視聴率競争で圧勝している。もちろん作品の出来栄えそのものも他の二作品を遥かに上回っている。脚本を書いた作家の力量の差がもたらした結果と言える。
「チャングムの誓い」の作家キム・ヨンヒョンは、前作「ソドンヨ」で百済の歴史を十分に消化しきれずに力が及ばなかったが、その失敗を今回の新羅の歴史の栄養剤にして、ストーリー作家としての彼女の本領を発揮している。
(写真は新羅王室の悪女ミシルを好演するコ・ヒョンジョン)

KBSの「千秋太后」は、予想に反して評価が得られなかった。描かれた時代と人物は、歴史ものの好きな人には興味深かったが、人物が十分に描ききれず、ドラマの盛り上がりがいまいち欠けていた。脚本と演出、主演の歯車がかみ合っていなかったようである。最終回に近づいた契丹の高麗侵攻の段になって視聴率が上向きに転じた。KBSは、この「千秋太后」の後続作がまだ決まっていない。一説には、昨今の金融危機の影響のために資金難に陥っていて、大河ドラマを休止するとのこと。

歴史の宝庫、豊富なドラマの素材

韓国の歴史は、どの時代を取り上げてもすべて面白い。各時代に多くの逸話が残っていて、ドラマの素材を提供してくれる。近年、韓国の歴史ドラマは時代考証の力が備わったお陰で、その描かれる時代が多様化し、古代から近年までどの時代のものでも偏りなく作れる態勢が整いつつある。今後ますますいろんな時代の中から多彩な人物が発掘されて、お茶の間で出会うことになろう。


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2009年08月06日

ヨ・ウンゲ逝く


故ヨ・ウンゲ「宮廷女官チャングムの誓い」の中で厳格と柔軟性を兼ね備えたスラッカンの最高尚宮(チェゴサングン)を熱演して強い印象を残した、韓国の古参女優ヨ・ウンゲが2009年5月22日、肺がんのために他界した。享年69歳。

2007年9月、腎臓癌が見つかり、出演中であったSBSの大河歴史ドラマ「王と私」を降板して治療に専念した。
腎臓癌は克服したが、がん細胞が肺に転移し、肺がんの治療を受けてきたが、急性肺炎も併発し、急遽入院したが、帰らぬ人となった。

1940年2月生まれ。父親に当たる人が壁の掛け時計をふと見て娘の名をウンゲ(運計)に決めたという。

故ヨ・ウンゲ-2高麗大学国文科を卒業した才媛で、1962年にKBSからタレントとしてデビューした。24歳の時から一貫して老け役を任されてきた笠知衆のような役者である。最近は年齢相応の様々なタイプのおばあさんを独特の個性で演じ分けてきた。変わったところでは、大ヒットした「私の名前はキム・サムスン」の中での西洋レストランの支配人役がある。
また、韓国で大ヒットした映画「マパド」(魔婆島)(2004年作品)でも、話題になった老婆の一人を好演している。
46年の芸能生活の中で、数え切れないくらい多くのドラマ、映画に出演し、死ぬまで忙しく現役の役者を貫いてきた。カリスマのある演技派俳優として、多くの韓国人から愛されてきた。これからは、お茶の間でヨ・ウンゲの姿にお目にかかれなくなる。彼女が亡くなった今、その空白の大きさに改めて気づかされる。
1974年の百想芸術大賞での女子最優秀演技賞を始め、2000年のKBS演技大賞などを受賞した実力派の大古参女優であった。

5月25日の告別式には、韓国のほとんどの芸能人が参列し、涙の別れを惜しんだ。葬儀の後、火葬され、遺骨は仏式にのっとって京畿道高陽市の海印寺弥陀院に安置された。 合掌


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2009年07月29日

伝説の故郷2009


伝説の故郷2009昨年に引き続き、今年もまたKBSテレビで納涼特別ドラマ「伝説の故郷」が8月10日から9月8日まで十のエピソード構成で放送される。日本での怪談ものに相当する。
韓国で欠くことの出来ない怪談といえば、「九尾狐」(クミホ)(写真)。人間が狐に化ける話で、日本の鍋島藩の化け猫に一番近い。去年の第一話を飾った九尾狐が今年も新に第八話に登場する。九尾狐に扮するのは、「王と私」であくの強い悪役として強烈な印象を残したチョン・ヘビン。

第一話 「血鬼」
吸血鬼を演じるのは、「憎くとも、美しくとも」のキム・ジソク。吸血鬼に愛される人間には、同じく「憎くとも、美しくとも」で共演したイ・ヨンウンが扮する。彼女は、去年もこのシリーズに出演している。冷酷な吸血鬼と深い恨みを抱えた女性の運命的な出会いを描く。

第二話 「竹島の恨」
朝鮮王朝中期、謀反を起した末に自殺した鄭汝立(チョン・ヨリプ)の死体を探しに竹島に向かった官軍派遣隊に迫った怪奇な連続殺人事件を描く。
チョ・ユニ、チョン・ギョウン(憎くとももう一度)、キム・ガプス、キム・ギュチョル、チャン・テソン出演

第三話 「女召使」
叶わぬ恋をして、無念にも殺された女召使の凄絶な復讐劇。
チャン・ヒジン、ソ・ガプスク、チャ・ソジン、キム・テホ出演

第四話 「木刻鬼」
大人たちに無残に捨てられ、殺された幼い幽霊が古木に取りついた悪鬼となって繰り広げる復讐劇。
キム・ヒョンミ、チ・ソンウ、アン・ソックワン、パン・ウニ他出演。

第五話 「シバジ」
シバジとは、朝鮮王朝時代に普通に存在した代理母のこと。かつてベネチア国際映画祭で主演女優賞に選ばれたカン・スヨン(女人天下)の映画も「シバジ」であった。
今回、シバジを演じるのは、ホ・ヨンナン。最初はホン・スヒョンが演じる予定であった。子供を産めない悲恋の女性をコ・ジョンミンが演じる。
朝鮮王朝時代、特権階級の両班(ヤンバン)を愛したという理由だけで無残に殺された恨み深い女性の凄絶な復讐を描く。

第六話 「禁書」
無念の死を遂げた閨秀が書き残した小説にまつわる呪いと復讐を描く。
イ・セナ(閨秀役)

第七話 「静かな村」
自分たちを陥れ殺害した犯人を知らずに、小さな村に住み着いた幽霊たち。期限内に犯人を見つけ、恨みを晴らさなければ、あの世の死者に連れて行かれ、家族がバラバラになる。同じ犯人に夫を殺された良家の妻が息子と娘を連れて村に迷い込む。旧知の人々に再会した喜びも束の間、彼女は村の秘密と住人たちが幽霊であることに気づく。夫と知人たちを殺した犯人を村に誘導することに成功し、犯人に恨みを晴らすことが出来た夫と村人たちは、あの世行きを免れる。

第八話 「九尾狐」
昼は麗しい女人として生き、夜になれば眉と頭が真っ白の千年狐に変身する九尾狐が繰り広げる愛と復讐を描く。
九尾狐役はチョン・ヘビン(王と私) 、他にアン・ジェモ(王と私)、チョン・ソニョ、イ・ヒョジョン出演

第九話 「ミョジョンの珠」
舞台は朝鮮王朝宮中。ミョジョンは不思議な珠の持ち主。珠を持つと、美しく変身して国王の寵愛を得られるという。ミョジョン亡き後、後宮や女官たちは競って珠を手に入れようとする。珠を手にした女性たちはミョジョンの呪いを受け、次々に変死を遂げる。珠の主人ミョジョンの秘密が次第に明らかになっていく。

第十話 「仮面の幽霊」
幼くして疫病で両親を亡くしたカソビという娘が、大好きな旅芸人の一員になり、兄のように慕う青年の指導のお陰で、夢にまで見た綱渡り芸人になる。地方長官の誕生日を祝う宴席で芸を披露するが、地方長官の女芸人漁りの犠牲となり、望まぬ妊娠までする。自分の娘を思うあまり嫉妬に燃える長官夫人の指図で、カソビは身を潜めていた衣装箱に火をつけられ、その中で焼死してしまう。兄のように慕う青年が作ってくれた仮面をつけて亡霊となり、自分の殺害に関与した者たちに次から次へと復讐を果たす。
朝鮮王朝時代の旅芸人、大道芸人たちのことを寺堂牌(サダンペ)と言った。初期の寺堂牌は、卑賤の女性たちの集団で、酒宴の席で歌舞を売り、宴会が終わると、売春を副業とした。このために、次第に女性寺堂牌が衰退し、男性だけの寺堂牌と化していった。この寺堂牌男性化の原因が特権階級の両班たちの女漁りにあると示唆している。
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2009年05月08日

善徳女王(ソンドク・ヨワン)


善徳女王朝鮮半島五千年の歴史の中で女性として初めて王位に上った新羅第27代善徳女王(? 〜647)の一代記を綴る歴史ドラマが5月25日からMBCテレビでスタートする。本名は徳曼公主(トンマン姫)という。善徳女王を演じるのは、「外科医ポン・ダリ」のイ・ヨウォン(写真)。彼女の最大の政敵で、新羅王室の妖婦美室(ミシル)を、歴史ドラマ初めてのコ・ヒョンジョンが演じて話題を呼んでいる。もう一人初めて歴史ドラマに出演するのは、「復活」、「魔王」のオム・テウン。新羅の名将金庾信(キム・ユシン)を演じる。「太王四神記」の中でペ・ヨンジュンの子役を演じたユ・スンホがさらに成長した姿で、三国統一を果たした武烈王こと金春秋(キム・チュンチュ)の青年期として登場する。「黄真伊」のキム・ボヨンの年下夫、チョン・ノミンがミシルの情夫であり、忠僕のソロルランに扮する。他にパク・イェジンが天明(チョンミョン)公主を演じ、チョ・ミンギ(真平王)も加わって豪華な顔ぶれとなっている。

脚本は、「チャングムの誓い」を書いたキム・ヨンヒョンとパク・サンヨンの共同執筆。
演出は、「ニューハート」のパク・ホンギュンPDと「朱蒙」のキム・グノンPD

善徳女王誕生の背景

善徳女王2女王が生きた時代の朝鮮半島は、北の高句麗、西の百済、南東の新羅と三国が割拠していた。俗に三国時代と言う。日本の聖徳太子の時代とほぼ同じ頃である。高句麗と百済は中国に近いため、早くから文化的に進んでいたのに比べて、新羅はまだ後進国であった。新羅が国力をつけて、文化的に飛躍するのは、善徳女王の時代からとされる。
女王は、第26代真平王と摩耶夫人の長女として生まれた。他に天明(チョンミョン)公主、善花(ソンファ)公主らの妹がいたが、男の兄弟はいなかった。末の妹善花公主は、「ソドンヨ」のヒロインで、百済王武王の妃となった人。三人姉妹は共に頭脳明晰で、利発であった。王子に恵まれなかった父王が没すると、これまで新羅王を代々継承してきた聖骨の男子が途絶え、聖骨の女子が王位に就くことになった。それが歴史上初めての女王誕生である。女の王の能力を疑い、反乱を企てる者が続出し、苦しめられたが、善徳女王は持ち前の政治力、人材起用力を発揮して、国王としての地位を確立していく。その過程で、優れた人材を多数発掘して、後の新羅の富国強兵と文化国家としての道を切り開いた。高句麗と百済を滅ぼし、三国統一を果たした金春秋(後の武烈王)とその友であり義兄である武将の金庾信は、善徳女王が育てたとも言える。

新羅の身分制度である骨品制の頂点=聖骨

骨品制は一種のカースト制度と言える。その頂点の聖骨とは、神聖な血筋といわれ、国王になれる王族のみを言った。王にならない王族と中央貴族は真骨と言った。世継ぎのなかった善徳女王の後を継いだのは、同じく聖骨女子の第28代真徳女王。善徳女王の従妹にあたる。彼女にも世継ぎがなく、聖骨が完全に途絶えた。そこで王に選ばれたのは、真骨から出た金春秋である。善徳女王の妹天明(チョンミョン)公主の息子であった。

新羅文化の担い手=花郎(ファラン)

ドラマの中で、三国統一の中心勢力となる花郎たちがふんだんに紹介されるという。西洋社会の騎士道のように花郎道という、新羅精神の核心となる青年集団であった。教育機関に集められて育成された彼らは、祭事や祝祭を司る集団であると同時に当時の芸能集団でもあった。今で言う韓流花の美男子たちのように、当時の女子たちの憧れの的であった。また、国の精鋭軍事組織でもあった。多くの名将が生まれている。後に新羅の国王が花郎たちの中から選ばれているが、時代と共に花郎道が廃れると、新羅は滅亡への道を辿って行った。金春秋、金庾信たちも最盛期の花郎出身である。

三人目の女王

新羅時代、三人の女王が誕生している。善徳女王とその後を継いだ真徳女王は、新羅最盛期を築く礎になった。三人目の女王は、新羅末期の真聖女王という。この女王は、KBSの大河ドラマ「太祖王建」の中に登場している。弓裔(クンイェ)の腹違いの妹であった。父親の弟である叔父と不倫に走った亡国の女王であった。

美室(ミシル)とピダム

ドラマの中では母と息子の関係となっているが、権威ある歴史書には二人が母子であったという記述はない。キム・ヨンヒョン作家の創作のようである。
美室については、三国史記や三国遺事などの歴史書に記述は一切なく、外史的な「花郎世記」の筆写本にのみ言及されている。それによると、美室の容貌は絶妙で豊満であった。また、明朗で美しかった、と。また、彼女は四人の息子(ハジョン公、オクチョン公、ポジョン公、スジョン・チョングン)を産んでいる。この中にピダムは存在しない。
美室の最期についても記述がある。美室は年老いてから僧侶になり、607年に病気を患って死亡した。善徳女王の死亡は647年であるから、二人の死亡年の間には40年の差がある。ドラマのように二人が相対するようなことは考えられない。これも作家の創作である。
「花郎世記」筆写本の中の美室は、数人の男性との複雑な性関係を持つ人物として描かれている。三国時代の新羅の女性たちも、能力があればかなり自由な地位に置かれていたようである。儒教が幅をきかせた朝鮮王朝時代には考えられないことである。

ピダムは、善徳女王に格別に取り立てられて、今日の国務総理に相当する上大等(サンデドゥン)の地位にまで上り詰めるが、善徳女王が政治を誤っているので、これを正すために自ら王になるという名分を掲げて647年、反乱を起した。金庾信(キム・ユシン)の討伐軍によって反乱は鎮圧され、ピダムと連座した30余名は全員殺され、特にピダムの一族は九族まで全滅となった。この反乱の渦中、善徳女王も死去した。ピダムは、真骨貴族で、姓は金氏と思われる、と記録されている。

ドラマの大成功に多大に貢献した美室とピダム。美室とピダムを演じたコ・ヒョンジョンとキム・ナムギル。年末の演技大賞でその論功行賞が見られよう。花郎アルチョンナンに扮したイ・スンヒョが一躍世に出たドラマとなった。
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2009年02月01日

王女自鳴鼓(チャミョンゴ)


自鳴鼓KBSの時代劇「風の国」がこの1月14日をもって放送終了した。視聴率が低迷したためにスポンサーが離れていき早期終了となった模様。このため、予定していた楽浪公主(楽浪姫)と高句麗の好童(ホドン)王子の悲劇まで話は進まなかった。ところが、この「風の国」の続きともいえるドラマが2月16日からSBSで始まる。有名な高句麗の説話「楽浪公主」を下地にして構成された「王女自鳴鼓」である。

2009年の韓国歴史ドラマのテーマは、国運を賭け、運命に立ち向かう英雄的王女・女王たち。今年の初めすでにKBSの「千秋太后」がスタートしている。この後、5月以降に新羅の黄金期を飾った「善徳女王」がMBCで放送予定となっている。女王を演じるのは、イ・ヨウォン。

高句麗の説話「楽浪公主」の中の自鳴鼓は、他国の侵略を受けた時にひとりでに鳴り出して国の危機を知らせる楽浪国の太鼓となっている。ドラマの中では太鼓ではなく、自鳴公主(自鳴姫)という王女という設定になっている。
楽浪国の王崔理(チェ・リ)には二人の異腹の娘がいて、長女が自鳴姫で、次女が楽浪姫。この二人が高句麗の好童王子をめぐって葛藤を繰り広げる。

王子の父親は、「風の国」の主人公、大武神王こと無恤(ムヒュル)。好童王子はユリ王の孫で、朱蒙のひ孫となる。母親は敵国扶余の王女。
二人の姫と王子は十代の若者たちで、崔理と無恤は30代の父親であった。

脚本を書いたのはチョン・ソンヒで、演出は若手のイ・ミョンウ。

MBCの人気ドラマ「エデンの東」の中で主人公の母親を好演したベテラン女優イ・ミスクが、楽浪姫の母親ワン・ジャシルを演じる。今、彼女は出演依頼の絶えない多忙な日々を送っている。敵国高句麗の王妃を演じるソン・ヒョナとの火花を散らす対決も注目されている。

イ・ビョンフン監督の「イ・サン」の中で正祖の政敵で叔母でもあるファワン姫を演じたソン・ヒョナが、ホドン王子の継母で、王子を王位継承者の地位から追い落とそうと陰謀を企むソンメソルスに扮する。

また、ミス春香(チュニャン)出身の新人カン・イェスルが、技芸団の花形ソソという娘役で歴史ドラマ・デビューを果たす。ソソは、思いを寄せる青年が自鳴姫に走ったために楽浪姫の侍女となって計略をめぐらす。

主人公たちが情念と運命に引き裂かれるギリシア悲劇のようなドラマとなる。
舞台となる時代は、西暦1世紀前半。

悲劇の主人公たち
(写真左から自鳴公主、好童王子、楽浪公主)

自鳴公主:  楽浪国の王崔理と第一夫人モ・ハソの間に生まれた王女。救国の神託を受けて生まれてきた英雄と崇められて、平凡な女性、王女として幸せに生きることが許されない運命を背負う。好童王子の心をとらえるが、王子にとって邪魔な存在となる。

楽浪公主:  崔理と第二夫人ワン・ジャシルの間に生まれた王女ラヒ。自鳴公主の異母妹。楽浪王の後継者として帝王教育を受ける。好童王子の人物に惚れ込んだ父王崔理の勧めで王子と結婚するが、楽浪国を攻め滅ぼそうとする舅と夫の願いを聞き入れて楽浪国と父王を裏切り、自鳴をなきものにしようとする。裏切りを知らされた父王の手で殺される。

好童(ホドン)王子:  高句麗第三代大武神王・無恤(ムヒュル)の長男で、母親は敵国扶余の王女。
美麗な容姿に聡明さを備え、野望も大きい。朱蒙のように弓の名手で、曽祖父の再来といわれる。父親の無恤を尊敬し、その後を引き継いで高句麗をさらなる富国強兵国にしようと考える。
すべてに恵まれているように見えた王子は、三人の女性のために苦しむことになる。一人は生母のアラン。敵国扶余の姫であるため、高句麗の王位継承競争において好童王子に致命的な弱点をもたらす。もう一人は、心から愛する女性だが自分が生き残るために殺さなければならない自鳴公主。三人目は妻の楽浪公主。高句麗のために彼女の愛を利用し、その純情を踏みにじることになる。
偉大な父王の息子として、是が非でも王になることを自分の定めと考え、愛は失っても生きていけるが、王位を失えば生きていけないとまで思い込む。
高句麗の正統貴族であるピリュ那部出身の無恤の第一夫人ソンメソルスの陰謀の前に王位継承の道は途絶え、ついには自殺に追い込まれる。高句麗の悲劇の王子たちの一人となる。

出演者たち

チョン・ヨウォン:  自鳴公主
パク・ミニョン:  楽浪公主・ラヒ
チョン・ギョンホ:  好童王子
カン・イェスル:  ソソ
ソン・ヒョナ:  無恤の第一夫人・ソンメソルス 
イ・ミスク:  楽浪公主の母・ワン・ジャシル
ムン・ソングン:  大武神王・無恤
キム・ソンニョン: 自鳴公主の生母・モ・ハソ
チョ・ミリョン

楽浪国とは

古代国家の一つで、現代の平壌市と黄海北道地方にあったという説と中国遼西地方に存在していたという説がある。漢の楽浪郡とは異なるというのが最近の見方となっている。
高句麗の第一次楽浪侵攻は好童王子の計略によって始まったが、王子が死んだ5年後の西暦37年、無恤王が直接指揮して楽浪国を滅ぼした。しかし、楽浪国の人々が高句麗の支配に激しく反発したため、これが大国後漢の干渉を招き、西暦44年に後漢の海軍が楽浪を電撃的に占領し、直接統治することになった。その後300年間、楽浪郡が高句麗の南方に存続したが、最終的に高句麗によって統合された。
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2009年01月22日

帰ってきた一枝梅(イルチメ)


MBC一枝梅イ・ジュンギの「一枝梅」(SBS)とほぼ同じ頃に制作計画が発表されていたMBCの「一枝梅」がチョン・イル(写真)主演で1月21日から放送がスタートした。
親の仇を討つために義賊になったイ・ジュンギ版とは異なり、高級官僚の父親と奴婢の母親の下に生まれ、父親の出世の妨げになるとして捨てられた赤子が、成長して良民の救済のために義賊の道を選ぶ。こちらのイルチメは、拾ってくれた僧侶の斡旋で清国に養子となり、そこで武術を習う。さらに日本に連れて行かれ、剣術と忍術を身に着ける。長い流浪の末、生まれ故郷に戻ってきたイルチメは、苦しめられている民のために義賊と化していく。
舞台となるのは、同じく第16代国王仁祖の時代。先代の光海君を倒し、仁祖を王位に据えた政治勢力の西人派は権力を独占し、国の政治を混乱に陥れる。
イ・ジュンギ版は完全創作で、チョン・イル版は原作通りにストーリーが展開する。原作は、1975年から1977年にかけて新聞に連載された故コ・ウヨン画伯の漫画「一枝梅」。
先行のイ・ジュンギ版を意識して、随所に違いを強調する工夫を盛り込んでいる。例えば、出だしの所で、イルチメが現代に現れて悪人を退治し、バットマンかスパイダーマンのように高層ビルを下りていく。現代から17世紀前半へとシフトさせてイルチメの活躍を描いていく。原作の題名に「帰ってきた」を付けたのも、イ・ジュンギを意識してのことと思われる。

今回のイルチメに扮するチョン・イルは、本格的ドラマに主演するのは初めてのこと。ヒロインのウォルヒを演じるユン・ジンソも新鋭タレント。そんな二人がどのようにしてドラマに色彩を与え、花を添えていくのか、楽しみである。
随所にイルチメのアクションが挿入され、画面に登場する家具や建具、装飾品などの小道具がその時代の雰囲気を如実に再現する。

演出のメインは、MBCドラマのベテラン ファン・イルレPD。

出演:
チョン・イル(一枝梅)
ユン・ジンソ(ウォルヒ)
キム・ミンジョン(捕盗庁捜査官 ク・ジャミョン)
チョン・ヘヨン(一枝梅の生母で妓生の白梅)
パク・チョルミン(清国のスパイ ワン・フェンボ)
パク・クニョン(貪官汚吏の高官 キム・ジャジョム)
イ・ゲイン(一枝梅を拾う乞食 コルチ)
カン・ナムギル(一枝梅の活躍を記録する『一枝梅マニア』のペ・ソンダル)

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2009年01月02日

2008年韓国KBS演技大賞


2008KBS演技大賞2008年度の韓国ドラマを締め括る演技大賞の第三弾が、ソウル市内ヨイドのKBS新館公開ホールで開催された。
総合司会は、俳優のイ・ドックワとチェ・ジョンウォンにアナウンサーのキム・ギョンナンが加勢して三人で務めた。
2008年のKBSドラマを代表するのは、「母さんに角が生えた」と「君は僕の運命」、「太陽の女」。この中から「母さんに角が生えた」の主役母さんを演じたキム・ヘジャが大賞を射止めた。長年の俳優生活で初めての大賞受賞。
彼女が最近、ブラウン管に再び登場するきっかけになったのは、MBCの人気ドラマ「宮」。この中で少しとぼけたような、子供のように人のよい皇太后の役を好演して脚光を浴びた。教養と気品を感じさせる存在感は、ドラマ界の貴重な宝と言える。
90年代に放送された故チェ・ジンシルの代表ドラマで、最近、日本でも各種メディアを通じて公開されている「あなた、そして私」の中で、チェ・ジンシル扮するスギョンの母親役を印象深く見事に演じている。芸能界に入ったばかりのソン・スンホンやチャ・インピョの初々しい姿もある。「太王四神記」の中で高句麗の大物貴族ヨン・ガリョを演じたパク・サンウォンが真面目なサラリーマンの長兄に扮している。

受賞者と作品

大賞:  キム・ヘジャ(母さんに角が生えた)

最優秀演技賞
(男)ソン・イルグク(風の国)
(女)キム・ジス(太陽の女)

優秀演技賞
・毎日連続ドラマ部門
(男)イ・ピルモ(君は僕の運命)
(女)キム・ジョンナン(君は僕の運命)
・週間連続ドラマ部門
(男)イ・ウォンジョン(大王世宗)
(女)イ・ユンジ(大王世宗)
・ミニ・水木ドラマ部門
(男)チョン・ジニョン(風の国)
(女)イ・ハナ(太陽の女)、チェ・ジョンウォン(風の国)

助演賞
(男)キム・ヨンゴン(母さんに角が生えた)、オム・ギジュン(彼らが住む世)
(女)ぺ・ジョンオク(彼らが住む世)

特集・文学館・短幕賞
(男)ユン・ヒソク(TV文学館「春、春春」)
(女)パク・ミニョン(伝説の故郷・九尾狐)

青少年演技賞
(男)イ・ヒョヌ(大王世宗)
(女)シム・ウンギョン(太陽の女)<2006年にも「ファン・ジニ」で同賞受賞>

新人賞
(男)チョン・ギョウン(太陽の女)
(女)ユン・ア(君は僕の運命)

功労賞:  ユ・チョルチュ(KBS照明監督33年間)

友情賞:  イ・ヒョジョン(KBSドラマ会副会長)

特別賞:  サムファネットワークス(「母さんに角が生えた」制作社シン・ヒョンテク代表)

人気賞
チャン・ミヒ(母さんに角が生えた)
ソン・ユリ(快刀洪吉童)
チャン・グンソク(快刀洪吉童)

ベスト・カップル賞
キム・ヨンゴン+チャン・ミヒ(母さんに角が生えた)
ソン・イルグク+チェ・ジョンウォン(風の国)
カン・ジファン+ソン・ユリ(快刀洪吉童)

ネッチズン賞:  カン・ジファン(快刀洪吉童)、ユン・ア(君は僕の運命)
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2009年01月01日

2008年韓国SBS演技大賞


2008SBS演技大賞

2008年の韓国ドラマを総決算する演技大賞の第二弾が、ソウル市内のSBS公開ホールで開催された。総合司会を務めたのは、リュウ・シウォンとハン・イェスルの二人。
2008年度のSBSドラマと言えば、イ・ジュンギの「一枝梅」とアン・ネサンが大ブレークした「糟糠の妻クラブ」、ソン・ユナとキム・ハヌルの「オンエア」であったが、大賞の栄誉に輝いたのは、視聴率の面で他局の競合ドラマに遅れをとっていた「風の画員」の主演ムン・グニョンであった。これまでの高視聴率ドラマの主人公イコール大賞という常識を打ち破ったことが、注目に値する。この授賞は極めて正しい評価であったと言える。KBSの演技大賞を授賞した「ファン・ジニ」のハ・ジウォンよりさらに年少の女優に大賞が送られた。
一枝梅のイ・ジュンギには最優秀演技賞が与えられた。授賞式の最中にイ・ジュンギが即興のパフォーマンスを披露して式典の雰囲気を盛り上げた。彼の身のこなしや所作を拝見していると、民族舞踊をふんだんに取り入れた映画かドラマの中でイ・ジュンギを見てみたいと思わせる。
「風の画員」で金弘道という天才画家を好演したパク・シニャンの姿が見えなかったのが惜しまれる。噂では、「銭の戦争・番外編」の出演料をめぐる問題で放送局側と折り合いがつかず、式典に不参加とのこと。
「風の画員」から異色のカップル、男装の女性画家申潤福(シン・ユンボク)と妓生チョンヒャンがベスト・カップル賞に選ばれた。

受賞者と作品

大賞:  ムン・グニョン(風の画員)

最優秀演技賞
・男優:  イ・ジュンギ(一枝梅)
・女優:  ソン・ユナ(オンエア)、キム・ハヌル(オンエア)

演技賞
・特別企画部門:
(男)チャン・ヒョク(いかさま師)
(女)ハン・イェスル(いかさま師)
・ドラマ・スペシャル部門:
(男)パク・ヨンハ(オンエア)
(女)チェ・ガンヒ(甘い私の都市)
・連続劇部門:
(男)アン・ネサン(糟糠の妻クラブ)
(女)オ・ヒョンギョン(糟糠の妻クラブ)、キム・ヘソン(糟糠の妻クラブ)

助演賞
・特別企画部門:
(男)ソン・ヒョンジュ(いかさま師、糟糠の妻クラブ)
(女)キム・ソヨン(食客)
・ドラマ・スペシャル部門:
(男)イ・ムンシク(一枝梅)
(女)キム・ジャオク(ワーキング・ママ)
・連続劇部門:
(男)イ・ハニ(ガラスの城)
(女)キム・ヒジョン(糟糠の妻クラブ)

子役賞
(男)ヨ・ジング(食客、いかさま師、一枝梅)
(女)キム・ユジョン(風の画員)

友情賞:  ト・ギソク(一枝梅)

プロデューサー賞
(男)ポン・テギュ(ワーキング・ママ)
(女)ムン・ジョンヒ(嫁とお嫁さん、甘い私の都市)

制作功労賞:  オリーブ・ナイン(代表コ・デファ)

功労賞:  ムン・ヨンナム作家(糟糠の妻クラブ)

ニュースター賞
チ・ヒョヌ(甘い私の都市)、イ・ジュンヒョク(糟糠の妻クラブ)、ペ・スビン(風の画員)、ハ・ソクチン(幸福です)、イ・サンウ(糟糠の妻クラブ)
イム・ジョンウン(水瓶座)、ハン・ヒョジュ(一枝梅)、ムン・チェウォン(風の画員)、チェ・ヨンイン(妻の誘惑)、ユン・ソイ(ガラスの城)、チャ・イェリョン(ワーキング・ママ)

ベスト・カップル賞:  ムン・グニョン+ムン・チェウォン(風の画員)

十大スター賞
イ・ジュンギ(一枝梅)、アン・ネサン(糟糠の妻クラブ)、チャン・ヒョク(いかさま師)、パク・ヨンハ(オンエア)、キム・レウォン(食客)
キム・ハヌル(オンエア)、ムン・グニョン(風の画員)、オ・ヒョンギョン(糟糠の妻クラブ)、ソン・ユナ(オンエア)、ハン・イェスル(いかさま師)

ネッチズン最高人気賞:  イ・ジュンギ(一枝梅)


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2008年12月31日

2008年韓国MBC演技大賞


2008MBC演技大賞今年一年のドラマを締めくくる演技大賞の第一弾が12月30日、ソウル・ヨイドのMBC D公開ホールで開催された。総合司会を担当したのは、シン・ドンヨプとハン・ジヘの二人。今年のMBCテレビは、「ベートベン・ウイルス」と「エデンの東」の二本のドラマが大ヒットし、ドラマ王国の伝統を取り戻そうと頑張った形跡が見られる。この二本のドラマに主演したキム・ミョンミンとソン・スンホンが共同で大賞の栄誉を分かち合った。賞を伝達したペ・ヨンジュンは、特にソン・スンホンの方を抱き寄せて祝福し、見るものをして意外な感じを与えた。ソ・ジソプまで舞台に突如現れて、ソン・スンホンを祝った。日本にファン層を持つ韓流スターたちの結束力を見せ付けた。その様子を横で見ていたキム・ミョンミンに受賞所感のバトンが渡されると、彼の存在が何となく浮き上がってしまった。ソン・スンホンの受賞所感は、とても控えめで、先輩たちを引き立てるのに徹していた。軍隊に行ってきて一回り成長したようである。

受賞者と作品

大賞:  キム・ミョンミン(ベートベン・ウイルス)、ソン・スンホン(エデンの東)

女優最優秀賞:  イ・ミスク(エデンの東)、ペ・ジョンオク(絶世の美人パク・チョングム)
男優最優秀賞:  チョン・ジュノ(私の生涯最後のスキャンダル)、チョ・ジェヒョン(ニューハート)

女優優秀賞: ムン・ソリ(私の人生の黄金期)、ハン・ジヘ(エデンの東)
男優優秀賞:  チョ・ミンギ(エデンの東)、イ・ドンゴン(夜なら夜毎)

黄金演技賞
 ・中堅俳優賞:  ソン・オクスク(ベートベン・ウイルス)
                             ユ・ドングン(エデンの東)
 ・助演俳優賞:  シン・ウンジョン(エデンの東)
                             パク・チョルミン(ベートベン・ウイルス、ニューハート)
 ・連続劇部門:  パ・クニョン(絶世の美人パク・チョングム、エデンの東他)
                             ホン・ウニ(動揺しないで)
 ・ミニシリーズ部門:  チ・ソン(ニューハート)
                                     キム・ミンジョン(ニューハート)

男優新人賞:  チャン・グンソク(ベートベン・ウイルス)、パク・ヘジン(エデンの東)
女優新人賞:  イ・ソヨン(私の人生の黄金期)、イ・ヨニ(エデンの東)

子役賞:  パク・コンテ、ナム・ジヒョン、シン・ドンウ(エデンの東子役たち)
PD賞:  イ・スンジェ(ベートベン・ウイルス)、ヨン・ジョンフン(エデンの東)

功労賞: 
 ・テレビ部門:  故チェ・ジンシル(私の生涯最後のスキャンダル)
 ・ラジオ部門:  スウィッソロウ

視聴者が選んだ今年のドラマ:  ベートベン・ウイルス
家族賞:  ドラマ「愛してる、泣かないで」のチーム

人気賞:  ソン・スンホン、イ・ヨニ
ベスト・カップル賞:  ソン・スンホン+イ・ヨニ(エデンの東)

特別賞
テレビ PD部門:  イ・ジェギュ
     アナウンサー部門:  イ・ジェヨン(気持ちの良い日他)、チェ・ユニョン(W他)
     声優部門:  キム・ホソン(CSI科学捜査隊他)、チョン・ナム(CSIマイアミ)
ラジオ リポーター部門:  ユ・ジン(世界はそして私たちは他)
     声優部門:  キム・ガンサン(激動50年)

作家部門
テレビ:  ナ・ヨンスク(エデンの東)
               ホン・ジナ、ホン・ジャラム(ベートベン・ウイルス)
               キム・ウニ(MBCスペシャル)
ラジオ:  キム・シヌク(言中愉快) 

ラジオ部門
 最優秀賞:  イ・ムンセ(今日の朝、イ・ムンセです)
 優秀賞:  カン・ソグ(女性時代)、カン・イン(親しい友達)
 新人賞:  キム・シニョン(退屈打破)
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2008年11月16日

千秋太后(チョンチュテフ)


千秋太后KBSテレビで現在放送中の「大王世宗」の後を受けて、2009年1月3日からスタートする大河歴史ドラマ。KBSでは「武人時代」以来の高麗王朝時代が舞台となる。
ミレニアムの2000年からスタートした高麗三部作のうち、第一作「太祖王建」、第二作「帝国の朝」の続きと言える。第四代光宗(クワンジョン)の次の世代の王族たちが繰り広げる宮廷ドラマである。

主人公の千秋太后に扮するのは、「海神」以来の時代劇に出演するチェ・シラ(写真左)。相手役の金致陽(キム・チヤン)を演じるのはキム・ソックン。歴史の歯車を動かしたキー・パーソンの康兆(カン・ジョ)役はチェ・ジェソンが演じる。チェ・シラとは「黎明の瞳」以来の共演となる。演出には、まだ新鋭のシン・チャンソクPDとファン・イニョクPDが当たり、脚本は、ソン・ヨンモク、イ・サンミン、カン・ヨンナンの共同執筆となる。
他の出演者は、イ・ドックワ、シネ、キム・ホジン、ヤン・グムソク、ホン・イニョン、イ・チェヨンなど。
当初は2008年11月22日に放送開始の予定であったが、主演のチェ・シラが乗馬の練習中に落馬し、全治2週間の怪我をしたために遅れる。

高麗時代の風俗、倫理観

次の儒教的朝鮮王朝時代とはかなり様相が異なっていた。
先ず女性の地位について見ると、この時代の女性はその地位と権利がかなり保障されていて、女性の性も抑圧されていなかった。女性が馬に乗って駆け回ることも普通であった。朝鮮王朝時代は儒教による男尊女卑の強い社会で、女性は様々な面で抑圧されていた。
次に男女の婚姻を見ると、朝鮮時代には同本同姓の男女の結婚は絶対に許されなかった。この決まりは、現代に入っても数年前まで韓国の法律となっていた。兄弟姉妹や従兄弟姉妹、叔父叔母などの近親との婚姻はもってのほかで、遠い親戚同士でも許されなかった。だが、高麗時代には普通に行われていた。千秋太后も従兄弟である第5代景宗の第三王妃であった。また、彼女の妹が第四王妃の献貞王后で、後に姉妹が王位継承をめぐって争うことになる。
高麗王朝を建国した太祖・王建は29人の女性と政略結婚し、その腹違いの子供たち同士や叔父と姪との間の王族結婚が頻繁に行われ、複雑な家族関係を作り出していた。

千秋太后

太祖・王建(ワン・ゴン)の孫娘で、本名はファンボ(皇甫)・スという。王建の第四夫人皇甫氏は有力豪族の娘で、王子ワン・ウク(王旭)を産んだ。千秋太后の父親である。王女たちは母方の姓を名乗っていたようである。
成長して同じく王建の孫である第五代景宗の第三王妃・献哀王后(ホネワンフ)となり、後の第七代穆宗(モクチョン)の生母となる。18歳の時、夫の景宗が亡くなり、未亡人となった。景宗の後継者第六代成宗は、千秋太后の兄であった。
夫亡き後、彼女が居住する千秋殿に外戚の金致陽(キム・チヤン)が頻繁に出入りするようになり、醜聞が広まるや、成宗が金致陽を遠島に処した。成宗が世継ぎのないまま死去すると、妹である献哀王后の幼い息子が即位し、第七代穆宗となった。献哀太后が幼い国王を補佐して摂政になると、起居していた宮殿の名称から千秋太后(チョンチュ・テフ)と呼ばれる。この時から12年間、彼女が天下に号令する波乱の摂政時代が始まった。配流地から金致陽を呼び戻し、自分の愛人とした。二人の間に生まれた子供を穆宗の後継者にしようと考える。
儒教に心酔し、中国・宋との事大政策を推し進めた兄の成宗に反して、千秋太后は反儒教的立場をとり、宋とは一定の距離を置き、新興強国の契丹との友好政策を進めた。彼女が執権した12年間は契丹からの侵攻はなく、高麗は安泰であった。
千秋太后が目指していたのは、祖父王建の大高句麗主義を継承し、北方への進出であった。そのために、儒学者たちより祖母方の豪族たちを政治的基盤とした。儒教勢力は千秋太后と穆宗を王座から引き摺り下ろそうと機会を窺った。
穆宗12年、千秋殿で火災が発生すると、国境に配置されていた精鋭軍を率いて、康兆(カン・ジョ)という千秋太后の忠僕であった武将が王宮に戻ってきて、恋敵でもある金致陽とその一党を討ち滅ぼし、千秋太后と穆宗をも王宮から追放した。儒教勢力が支持する大良院君(テリャンウォングン)を擁立したが、それが第八代玄宗(ヒョンジョン)で、千秋太后の妹の献貞王后が生母であった。廃王となった穆宗は殺害され、千秋太后は皇甫一族の故郷黄州(ファンジュ)に逃れ、そこで21年を生き延びた後、66年の波乱の生涯を閉じた。

儒教勢力との政争に敗れた千秋太后は、歴史に不倫の女性、権力欲に溺れた悪辣な王妃と記録されたまま、歴史の闇の中に消えていった。そんな彼女を見直し、王建の理想を引き継ぐことを夢見ていた高麗の一大女傑ではなかったのか、と問いかける。

金致陽(キム・チヤン)

ファンボ(皇甫)・ス(後の千秋太后)の生涯の恋人。滅亡した新羅王族の後裔で、新羅の再興のために高麗を滅ぼそうとしてファンボ・スに接近したが、彼女を本当に愛してしまい、苦悩する。結局、自分の目的を果たせずに、政敵で恋敵でもある康兆によって悲劇的な死を迎える。

康兆(カン・ジョ)

契丹に滅ぼされた渤海(698-926)の末裔として高麗に流れ着いて武将になった。ファンボ・スの時から千秋太后を慕い、守り続けて来たが、最終的に彼女を裏切る羽目になり、苦悩する。彼にとって愛は生涯の祝福であると共に呪いでもあった。穆宗を殺害し、千秋太后を追放することによって契丹の第二次侵攻の口実を作ってしまい、契丹軍との戦いに敗れて生け捕りになり、殺された。

契丹(907-1125)

唐末の907年、耶律阿保機が契丹系の諸部族を統合して建国し、その後、国号を遼と改めた。926年、高句麗系の渤海を攻め滅ぼした。その流民の多くが高麗に流れ着いたが、その中に康兆の一族も含まれていた。

中国の宋を征服するのに邪魔な親宋の高麗を三度も侵攻した。
第一次侵略は成宗治下の993年。80万の大軍で高麗に攻めてきたが、時の高麗宰相徐熙(ソ・ヒ)との外交舌戦に負けて、撤退した。
高麗で成宗が亡くなり、その甥の穆宗と千秋太后が親契丹政策を掲げると、両国の関係は好転した。
12年後の1009年、康兆が政変を起こし、穆宗を退位させてその従兄弟の玄宗を即位させると、翌1010年、康兆を問罪するという口実で40万の大軍を高麗に派遣した(第二次侵略)。苦戦の末に康兆を生け捕り、殺害した。高麗との講和が成立すると撤退した。
高麗王が講和の約束を守らないという理由で、1018年、10万の大軍で三度目の侵攻を行った。高麗側の名将・姜邯賛(カン・ガムチャン)の戦略に負けて敗走するが、翌年二国間の使節往来が再開し、千秋太后以来の国交が回復した。高麗は契丹の年号を受け入れ、宋との関係を絶つことにした。
この百年後の1125年、契丹は女真族系の金に滅ぼされた。

宋(960-1279)との関係

高麗は建国以来、中国の統一王朝である宋を大国として、その政治・社会制度や文化を受け入れてきた。宋で政治理念として定着した儒教も高麗に徐々に浸透し始めた。仏教を国是とする高麗においては、儒教は学問のレベルで発展していった。高麗末期には儒生たちが政治勢力に成長し、朝鮮王朝建国の母体となった。
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2008年11月03日

女人天下


女人天下韓国歴史ドラマの大御所と称されるキム・ジェヒョンPDの代表作である。放送当時、主演女優たちの好演と監督のメリハリのあるドラマ作りが好評で高視聴率を上げて大成功を収めた。主演の女優はその年の演技大賞に選ばれている。いわゆる『名品ドラマ』の一つとなったが、キム監督の最後の力作となってしまった。その後、「王の女」と「王と私」を演出したが、力不足のために「王の女」は早期放送終了となり、「王と私」では、健康を害して途中下車となり、他の若手PDが引き継いで何とか最終回までこぎ付けている。





中宗が描かれた三作品 「女人天下」、「宮廷女官チャングムの誓い」、「黄真伊」

「女人天下」は、暴君燕山君(ヨンサングン)が宮廷クーデタによって王座から追われ、その腹違いの弟である晋城大君(チンソンテグン=後の中宗<チュンジョン>)が第11代王に推戴された1506年から始まる宮廷ドラマ。中宗の正室と後宮たちの間の熾烈な権力闘争と中宗期の政治の表舞台での政権争いが克明に描かれている。

イ・ビョンフン監督の「宮廷女官チャングムの誓い」もほぼ同じ頃を舞台に展開された歴史ドラマであるが、政治の表舞台や宮廷内の権力闘争は具体的に描かれず、王宮の片隅で主人公チャングムが活動した台所と医局での出来事が中心となっている。国王と王妃、王太后もみんなどこか人の良い人物として描かれている。趙光祖(チョ・グワンジョ)という名前が何度も出てくるが、当の趙光祖は一度も顔を出さない。「女人天下」で初めて趙光祖という人物の実像に触れ、彼がどんな人であったかも、このドラマを通じて情報が補足される。「女人天下」と「チャングムの誓い」を通じて初めて中宗時代の全貌が見えてくる。中宗という国王、その正室の文定王后(ムンジョンワンフ)がどんな人物であり、その時代がどんな時代であったかが二作品によって明らかになる。

さらに、「黄真伊」の中にも中宗王が登場し、彼のもう一つの面を示してくれる。民族文化と伝統を大切に保存しょうとする文化人の姿である。「黄真伊」では、前の二作品に描かれた政治の世界や権力闘争などは関与しない。ただ風流と芸の道に勤しむ妓生たちの世界が描かれているのみである。

「女人天下」、「宮廷女官チャングムの誓い」、「黄真伊」の三つのドラマはほぼ同じ時期に生きた実在人物たちを描いた作品であるが、三者が交差することはない。

「女人天下」のオム尚宮(サングン)

オム尚宮主人公の一人である中宗の継妃・文定王后に忠実に仕えるオム尚宮の姿が印象的で、視聴者の目を惹きつけて止まない。また、王妃に訪問者の到着を告げるその朗々と響く声は名品である。オム尚宮役を演じたのは、ハン・ヨンスクという中堅女優。1951年生まれで、1970年にMBCの声優四期として入局した。彼女の声は声優で鍛えられた賜物である。2005年に終了したKBSテレビのロングラン・ドラマ「オールドミス・ダイアリ」にも出演し、その存在感を強烈に残している。その後、病を得て2006年6月16日、享年55歳で亡くなった。合掌


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2008年10月12日

「一枝梅」は「イルチメ」か「イルジメ」か?


一枝梅韓国SBSテレビで放送されたイ・ジュンギ主演のテレビ時代劇「一枝梅」の読み方が、日本では「イル・・メ」と「イル・・メ」の二通りで表記されている。
正しいのは、「イルチメ」の方である。
先日のNHKの番組の中では「イルジメ」と字幕が付き、MCたちもイルジメと発音していた。なぜこんな間違いが通用しているのか、不思議でならない。ドラマを原語の韓国語で見て理解する人なら、このようなミスを犯さないはずだが。

韓国語の発音の決まりは、学習者にとって非常に難関の一つと言える。特に「イチメ」のように、韓国語の舌側音子音[L](日本語では[ル]と表記)が終声の時、その直後に来る初声の子音は濃音となったり、時に濁音となる。イルチメの場合、前者である。
辞書に「一枚梅」という見出し語はないが、「一枝筆」(一本の筆)が出ていて、発音記号は「イル・・ピル」と付されている。
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2008年09月19日

風の画員


風の画員9月24日にSBSテレビで放送が始まる歴史ドラマ。タイトルの風の画員とは、主人公の画家、申潤福(シン・ユンボク)のこと。舞台となるのは、朝鮮王朝第22代国王・正祖(チョンジョ)の時代。「イ・サン」の中で初めてドラマで取り上げられた宮廷図画署が再び主な活動場所となる。

主人公は、申潤福と金弘道(キム・ホンド)。二人は、朝鮮王朝時代を通じて最も有名な天才的風俗画家。しかも正祖の治世下の同じ時代に生き、一時期図画署の先輩・後輩として勤務したこともあるといわれている。

文芸復興の名君といわれる正祖は、自分も絵画の素養があり、画家を特に大事にした国王であった。そんな国王の庇護の下、金弘道は、イタリア・ルネッサンスの申し子で、フランス国王フランソワ一世に寵愛されたレオナルド・ダ・ビンチのようなマエストロ的存在となって、一世を風靡した。

一方、同じ天才であっても記録がほとんど残されていない申潤福は、どんな人物であったのかは謎のままで、彼が残した絵画作品を通して、彼の人物像をあれやこれやと思い描くしかない。しかし、これこそがこのドラマ「風の画員」を思いがけない解釈で作り上げる可能性を与えている。
絵のモチーフや画風から、申潤福は女性であったという仮説でこのドラマは作られている。絵の中に密かに隠された「彼女」と金弘道の愛の物語を描く。

申潤福を演じるのは、「国民の妹」と呼ばれているムン・グニョン(秋の童話)。金弘道には、パク・シニャン(「パリの恋人」、「銭の戦争」)が扮する。

国王正祖役はペ・スビン(朱蒙)。他に「イ・サン」に出てきた洪国榮(ホン・クギョン)や正祖の政敵である貞純王后(正祖の祖父英祖の後妻で、正祖の暗殺を何度も試みた)などもドラマに登場する。

文芸復興の時代を受けて紙の消費が拡大した関係で紙商人が重要な役割を担い、経済的に大きな力をつけた。ドラマの中にもそんな紙商人の姿がキム・ジョニョンという登場人物を介して描かれる。演じるのは、リュ・スンヨン
賤民の出で、幼い時に市場に捨てられた孤児であったが、生まれながらの才覚と商売感覚に恵まれて一代で絹と紙の独占商人に成り上がる。しかし、物はすべて手に入れたが、誰の心も得られなかった人物。

申潤福(1758- ?)

申潤福ヘウォンという号で作品に署名している。金弘道、金得臣と共に朝鮮王朝三大風俗画家と称されている。風俗画だけではなく、南宋画様式の山水画や鳥獣画にも優れていた。俗画を好んで描いたために、図画署から追い出されたとも伝えられている。父親の申漢枰(シン・ハンピョン)と祖父は図画署の画員(宮廷画家)であったが、彼の図画署での記録が残されていない。最晩年の作品年が1829年となっていることから、死亡時期はその辺りと思われる。

社会の各層を網羅した写実的な風俗画を描いた金弘道とは対照的に、都会の遊び人と妓生などの男女間の密かな情愛を多く描き、その時代の愛情や風流について示唆するところが大きい。従って、一級歴史資料と目される。
洗練された筆致で女性の美しさや愛情を生々しく写実的に描いているという理由から、申潤福は女かも知れないという仮説が成立する。

金弘道(1745-1816)

金弘道若くしてすでに御真(王の肖像画)を描かされた天才画家。遊び好きで風流を好み、誰とも上手に付き合える好男子であった。その天才ぶりは国中に知れ渡り、彼の絵を手に入れようと人々は競い、絵の値段が想像を絶するほどに高騰したという。国王の寵愛も受け、いわばマエストロのような存在となり、画家としては前代未聞の権勢を手に入れた。
「書堂」(寺子屋)や「相撲」などの躍動感溢れる風俗画が有名であるが、巨大な宮中儀式を記録した絵や水墨画、老年期の自身の自画像など多様な絵画も残している歴史上最も有名な画家。

申潤福の画風が叙情的であれば、金弘道のは叙事的である。
申潤福に関する記録はほとんど残されていないが、金弘道に関する資料は豊富に発見されている。同時代を生きた天才画家同士でありながら、歴史に記録された者と記録されなかった者である。その理由は定かではない。
二人が同じ主題を取り上げて描いた絵が数枚発見されているのも興味深く、人々の想像を掻き立てる。

申潤福を描いた映画も

キム・ミンソンデレビ・ドラマの「風の画員」と並行して、映画も制作中である。「美人画」という題名で、男装の女性画家・申潤福を演じるのはキム・ミンソン。「黄真伊」のドラマと映画でハ・ジウォンとソン・ヘギョの勝敗が話題になったように、今回もドラマのムン・グニョンと映画のキム・ミンソンのどちらに軍配が上がるか、と囁かれている。制作に時間がかかり、公開が遅れる映画の方が不利であると言われる。さらに入場料を払う映画の方がそれだけの付加価値をつけなければ、観客は見に来ないそうである。





ドラマ「風の画員」の各話に付されたサブタイトル


1話 待ち人
2話 少年剪紅
3話 掌破刑
4話 群仙図
5話 端午風情
6話 同題各画
7話 正風
8話 御真画師(1)
9話 御真画師(2)
10話 御真画師(3)
11話 御真画師(4)
12話 奉審
13話 生と死
14話 失われた睿真(イェジン)
15話 五つの肖像
16話 顔のない肖像
17話 10年前の女人
18話 仇
19話 争闘
20話 美人図

黄真伊(ファン・ジニ)以来の見ごたえのある歴史ドラマである。映像美とストーリー展開のキーとなる絵画の背景解釈が面白い。美大出身の監督は、自己の専門性を最大限に駆使して素晴らしい作品に仕上げている。


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2008年08月30日

風の国


漫画「風の国」9月10日、再び高句麗の英雄がお茶の間に戻ってくる。高句麗建国の祖「朱蒙」を演じたソン・イルグクがチュモンの孫に当たる第三代大武神王(テムシヌァン、本名は無恤<ムヒュル>)となって登場する。KBSテレビが韓国放送80周年記念特別企画として放送する大河歴史ドラマである。
高句麗が強大な王権国家として成長するための礎石を築いた第三代大武神王、ムヒュルの一代記を描く。

原作はキム・ジンの同名ベストセラー漫画「風の国」。女性の漫画家で、2008年の「大韓民国漫画・アニメーション・キャラクター大賞」において漫画部門大賞(大統領賞)を受賞している。
演出は、「海神」(ヘシン)を監督したカン・イルスPD。
シナリオは、チョン・ジノク、パク・チヌ、エイストーリーらが担当。

大武神王・無恤(ムヒュル)(紀元4〜44、在位期間: 18〜44)

風の国朱蒙の孫。本名はムヒュルで、一名を大解朱留王(テヘチュリュワン)といった。父親はユリ王(朱蒙の顔を見ずに育ち、後に父親と巡り会う長男)で、母親は豪族松譲(ソンヤン)の娘。
祖父が建国し、父親から引き継いだ高句麗を史上最大版図を有する強大王国に成長させた。高句麗最高の征服者、戦争の神と称された。隣接する諸国を次々と征服し、その中には、「朱蒙」の中で宿敵の隣国であった東扶余(プヨ)や蓋馬国(ケマ国)もあった。東扶余の王となったテソがこの時代まで生きていたが、ムヒュルの部下に殺されて、国が滅んでいる。テソの弟の一人がカルサ扶余国を建国し、その孫姫がムヒュルの第二王妃となる。大武神王・ムヒュルは、漢帝国の攻撃も撃破し、漢が支配していた楽浪郡も攻め落とした。内政でも、高句麗の中央集権政治体制の第一段階を完成させた。戦争に次ぐ戦争の生涯を送る。
演じるのは、「朱蒙」のソン・イルグク

ユリ王(幼名ユリ)

父親の朱蒙に巡り会い、高句麗の第二代国王に就く。建国に寄与した諸部族長たちの力がまだ強かったために、王権は様々な制約を受けていた。政治権力を得る代わりに息子に対する父性愛を犠牲にするしかなかった悲劇的な王として描かれる。
演じるのは、映画「王の男」の中で暴君燕山君(ヨンサングン)に扮したチョン・ジニョン。1995年以来14年ぶりのドラマ出演である。その間、映画の世界で活躍し、今では千万人の観客を動員できるスターに登りつめている。監督のスケジュールと合わなかったために「太王四神記」の出演は実現しなかったが、このドラマでお茶の間に戻ってきた。

その他の主要人物

扶余の王子・トジン:  パク・コニョンが演じる。初めての時代劇出演。ムヒュルとは一時同僚として親しくなるが、後に敵対する関係に変わっていく。

扶余の姫・ヨン:  チェ・ジョンウォンが演じる。「噂のチル姫四姉妹」の三女ミチル役以来一年半ぶりのドラマ出演。初めての時代劇となる。ヨンはムヒュルの第二王妃となる人。

ヘアプ:  オ・ユナが演じる。近年人気上昇中の彼女にとって初めての時代劇出演となる。ヘアプは「太王四神記」のスジニのような存在。武術に長け、ムヒュルのために大いに働く。

ヘミョン太子: イ・ジョンウォンがSBSの「幸福です」放送終了を受けて、この役を演じる。ヘミョン太子は、ユリ王の次男で、ムヒュルの兄に当たる。長男の兄が夭折した後、太子に選ばれた。ところが、父王に逆らったために自殺に追い込まれ、ムヒュルがユリ王の後継者となった。

他に、奴隷商人の右腕役を演じるギャグ・マン、キム・ウォニョの出演が話題になっている。彼はKBSの人気番組「ギャグ・コンサート」にレギュラー出演中。

好童(ホドン)王子と楽浪公主の悲劇

好童王子は大武神王の長男で、第二王妃の扶余系の解(ヘ)氏夫人(カルサ扶余王の孫娘)が母親。領地内を遠出している時、、漢の楽浪郡内の一君主、崔理(チェ・リ)に気に入られて娘婿に迎えられた。妻となった楽浪公主(楽浪姫)を伴ってホドン王子は高句麗に帰国する。間もなく、高句麗は楽浪郡を攻撃することになるが、楽浪郡には敵が攻めてきた時に勝手に鳴り出して敵の来襲を知らせる自鳴鼓(チャミョンゴ)があった。大武神王が息子のホドン王子を介して、楽浪公主に自鳴鼓の破壊を命じると、公主は夫のために快諾し、実家の楽浪郡に戻ると、太鼓を切り裂いた。これを知った父王の崔理は、娘を問い詰め、最後に殺してしまった。ホドン王子が先鋒隊を率いて楽浪宮に到着するや、最愛の妻の死が待ち受けていた。
悲しみにくれていた王子をさらに襲ったのは、父王の第一夫人の謀略であった。遅くして嫡出の王子を産んだ王妃は、勇猛で人望の厚かったホドン王子の存在が邪魔になり、夫の国王にホドン王子が自分に横恋慕し、犯したと嘘の告げ口をした。王子は自分の潔白を証明するために自殺を選び、楽浪公主の元へ旅立った。
この悲劇もドラマの中で描かれる予定となっている。


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