2014年06月28日

朝鮮の銃撃手(ガンマン)

朝鮮の銃撃手6月25日からKBSでスタートしたヒーローの活躍を描く新しい時代劇。19世紀末を舞台に時代の激動期を生きていった若者たちの夢と愛を描く。朝鮮第一の剣士の息子として、自らも剣の道に生きようとしていた青年が、西洋から入ってきた新式銃の犠牲になった父親の死に直面し、剣を捨てて銃士となって復讐を果たしていく。主人公のパク・ユンガンを演じるのは、「アラン・サトー伝」のイ・ジュンギ。相手役はナム・サンミで、当時の訳官の娘で、開花思想に目覚め、新しい世界に生きようと志す女性、チョン・スインを演じる。他に、チョン・ヘビン、ハン・ジュワン、ユ・オソン、チェ・ジェソン、アン・ソックワン、チェ・ジョンウォン、チェ・チョルホ、イ・ミヌらが顔を揃える。

演出: キム・ジョンミン、チャ・ヨンフン
脚本: イ・ジョンウ、ハン・ヒジョン
原案: キ・スンテ作「朝鮮の銃撃手」(2010年韓国コンテンツ振興院公募受賞作)

主な登場人物

パク・ユンガン(イ・ジュンギ) 名剣士で名高い武官の父親を目標に自分も剣の道に生きようとしていたが、新式銃の餌食になった父親の死を前にして、涙ながらに剣を捨て銃士となって父親の復讐を果たそうと決心する。銃を持っても心の中にはいつも剣があった。剣は自分の誇りであり、朝鮮の魂であった。

チョン・スイン(ナム・サンミ) 裕福で進歩的な訳官の娘で、学問の師から開化思想を学び、世界に開かれた新しい世の中を夢見る。

チェ・ヘウォン(チョン・ヘビン) チェ・ウォンシンの一人娘で、美貌と強力なカリスマを備え、欲望の火花といわれる女性。財力で世の中を支配しようとしたが、お金では買えない愛という存在によって歴史の渦の中に巻き込まれていく。

チェ・ウォンシン(ユ・オソン) 表の顔は褓負商団の頭領で、裏の顔は守旧派秘密組織の首領であるキム・ジャヨンの命に従う朝鮮最高の狙撃手。

パク・チンハン(チェ・ジェソン) パク・ユンガンの父親で、有能な武官。怪しい銃撃手たちを捜査している最中、彼らの標的となり、銃弾に倒れる。

キム・ホギョン(ハン・ジュワン) 領議政(太政大臣)キム・ビョンジェの庶出の息子。同じ学問の師の下でチョン・スインと出会い、開化の志を共にする。日本の明治維新に強く惹かれ、日本に密航し、急進的な開化思想家となって帰国し、孤独な革命家となっていく。実在した金玉均をモデルにしているようである。

キム・ビョンジェ(アン・ソックワン) 守旧派の巨頭キム・ジャヨンが朝廷に送り出した官僚の一人で領議政を務める。開化を進める国王高宗の忠臣を装っているが、実は妨害をしている。

キム・ジャヨン(チェ・ジョンウォン) 守旧派勢道勢力の安東金氏一門の巨頭で、老狐のような人物。高宗の即位で政治の一線から退いたが、裏で政界を牛耳る。高宗の開化政策を執拗に妨害する秘密結社の首領でもある。

高宗(イ・ミヌ) 開化して新しい近代国家を作ろうとする若き国王。

ムン・イルト(チェ・チョルホ) パク・チンハンの愚直にして忠実な副官。

刀と銃

19世紀後半、日本が開国か攘夷かで国論が分かれ、混乱している頃、朝鮮でも開国を主張する開化派が台頭し、西欧を毛嫌いし、清国を大国として仰ぐ事大主義の守旧派との対立が生まれつつあった。進歩的な考え、新しい文物に関心を示すのは、常に若者たちであった。彼らの中から開化派の中心人物たちが育っていった。守旧派は、自分たちが最も嫌う西欧の新式銃を使って開化派の指導者たちを次から次へと葬り去った。逆説的にも、銃口は西欧志向の開化派の人たちに向けられていた。
開化の渦の中で刀と銃の対決が繰り広げられた。最後の朝鮮の自尊心を象徴する刀は、西欧的な力を象徴する銃に淘汰される運命を避けられなかった。主人公のパク・ユンガンが涙をのみつつ刀を捨て、銃を選ぶ生き方と究極的に生き延びるために開化する勇気が求められた当時の朝鮮の姿が重なる。
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2014年01月13日

鄭道伝(チョン・ドジョン)


鄭道伝1月4日にスタートしたKBSの大河歴史ドラマである。前作の「大王の夢」が終了した後、6ヶ月の沈黙を破ってKBSが大河ドラマ不振からの立ち直りを図る第一作に選んだのが、朝鮮王朝建国の立役者でありながら、逆賊の汚名を500年間着せられてきた鄭道伝である。高麗の官僚でありながら、高麗王朝の幕引きと易姓革命による新王朝建国の企画、設計、着手を行った儒学者出身の政治家。彼の一代記が再出発大河ドラマの一番手となる。SBSの歴史ドラマ「根の深い木」や「大風水」の中にも登場した人物である。特に「根の深い木」の中で秘密結社【密本】の頭領の叔父で、組織の綱領を記した密書を書き残した人物として描かれた。

彼の政治信条は、「百姓の心を得れば、百姓は服従するが、百姓の心を得られなければ、裏切られることになる」であった。近代の民本主義とは異なるが、民の存在の大きさに気づいていた人の言葉である。

奇しくも、今年のNHK大河ドラマの主人公は、豊臣秀吉を天下人に仕立て、その天下統一を設計した軍師、黒田官兵衛。第二人者という共通点を持つ朝鮮建国の企画人、鄭道伝。二人のドラマがほぼ同時に始まったことは興味深い。

演出: カン・ビョンテク、イ・ジェフン
脚本: チョン・ヒョンミン

キャスト

チョ・ジェヒョン(子役 カン・イソク): 鄭道伝

ユ・ドングン: 李成桂(イ・ソンゲ)(朝鮮を建国した太祖となる人物)

パク・ヨンギュ: イ・イニム(高麗末の政治の実権を握った官僚。鄭道伝の政敵)

ソ・インソク: チェ・ヨン将軍(高麗を最後まで愛した忠臣で、最高の勇将。李成桂の威化島回軍により、刑場の露となって消える)(SBSの「信義」の主人公は、青年時代の彼)

イム・ホ: 鄭夢周(チョン・モンジュ)(高麗末最高の文人で、高麗に殉じた政治家・儒学者。鄭道伝の学友であったが、後に政敵となり、イ・バンウォンに殺される)

アン・ジェモ: イ・バンウォン(李成桂の五男で、後の三代太宗。世宗の父親。李成桂の息子たちの中で一番文武両道に優れていた)

イ・アヒョン: 鄭道伝の夫人崔氏(チェシ)(夫に代わって家計を支えた生活力のある強い女性)

イ・チュンシク: ツッポアボム(鄭道伝家に先代から仕える奴婢で、鄭道伝を背負って育てた)

イ・イルファ: 李成桂の第二夫人康氏

ソン・ドンヒョク: イ・ジラン(李成桂の義兄弟。女真族からの帰化人で、李成桂の護衛大将を自任する)

キム・ミョンス: 高麗第31代コンミン王(自分の部下に殺害される悲劇の王)

イ・ドッキ: 明徳太后(コンミン王の母親)

キム・ミンジュ: 定妃安氏(コンミン王の第四妃)

イ・ソユン: 益妃韓氏(コンミン王の第三妃)

パク・チヌ(子役 チョン・ユンソク): 高麗第32代ウ王(コンミン王の庶子。母親はシン・ドンの奴婢パニャ。王氏の息子として生まれ、シン氏の息子として死んだ)

チョン・インニョン: 乳母張氏(ウ王の乳母)

キム・ジンテ: キョン・ボックン(高麗王室の代表的な外戚で、名目上は朝廷の一人者である門下侍中)

イ・ジョンソン: チェ・マンセン(コンミン王の寵愛を受けた宦官であるが、王殺害に関与する)

ソ・ウジン: ホン・ユン(コンミン王の親衛隊である子弟衛の中心人物で、王の寵愛を受けていたが、後宮の益妃を妊娠させる。王に殺されることを知らされ、逆に王を刺殺する)

パク・チウォン: イ・セク(元でもその名が知られた儒学者で、鄭道伝の師匠。後に二人は政敵となる)

キム・スンウク: パク・サンチュン(新進儒学者の一人)

チョン・ヒテ: イ・スンイン(新進儒学者の一人)

イ・グワンギ: ハ・リュン(新進儒学者の一人で、後にイ・バンウォンの擁立に寄与して政権の中枢に上るが、主君である太宗からにらまれ、追放される悲劇の宰相)

キー・パーソンたち

三峰・鄭道伝(サムボン・チョン・ドジョン)

高麗末期、あまり家格の高くない両班家庭の長男として生まれる。幼少の頃から聡明で、早くから科挙に合格し、成均館に入り、鄭夢周や他の新進儒生たちと切磋琢磨する。やがて彼らと共に学問の世界から政治の舞台に上っていく。新興帝国明を支持する鄭道伝は、親元派の実権守旧勢力によって遠島の憂き目にあい、その後も政界に戻れず、各地を転々とする。その間、高麗に対する期待は消え、易姓革命の志を抱く。彼の意中の新国王は、北方の辺境地を防衛する将軍、李成桂であった。最後まで高麗の存続を主張し、易姓革命に反対した鄭夢周とは政敵の関係になる。
朝鮮王朝の建国に成功した鄭道伝は、国家体系の基盤造りを進める過程で、李成桂の五男のイ・バンウォンと対立することになる。鄭道伝は、宰相政治を根幹とする官僚が治める中央集権国家を目指し、イ・バンウォンは強力な王権が支配する国家を考えていた。継妃康氏を支持してその息子を李成桂の後継者に選んだことから、改革半ばイ・バンウォンの刀に討たれた。その後、500年後に高宗によって名誉を回復するまで徹底的に逆賊扱いを受けてきた。彼の転落で皮肉にも再浮上したのが、学友であり、ライバルの鄭夢周であった。イ・バンウォンは鄭道伝を完全に葬り去るために、自分が殺害した政敵の鄭夢周を最高の忠臣・学者として持ち上げたのである。

朝鮮太祖・李成桂

東北の辺境を守る軍閥で、最精鋭の私兵集団を率いた猛将としてその名を馳せ、人望も厚かった。彼は最初から高麗を倒して新王朝を樹立するという野心はなかった。高麗の忠臣であろうとした。鄭道伝との出会いと、彼の考えに共鳴する過程で、国王になるという思いを抱くようになった。朝鮮建国を果たすや、彼の悩みは、家族問題で、後継者選びであった。前妻の五男、イ・バンウォンは建国に際して最大の功労者であったが、野心の大きい彼を次の王にするつもりはなかった。しかし、武骨で情にもろい武人の李成桂に対して、息子のパンウォンは冷徹な政治家であり、天性の統治者であった。それが見えなかったのが李成桂の限界であった。最晩年は、王位に就いた息子を恨みつつ、淋しく世捨て人のように生きた。

イ・バンウォン

李成桂と第一夫人韓氏の五男として生まれ、息子たちの中で一番文武に優れ、政治家資質に恵まれていた。青年期を儒学者として過ごしたが、孔孟の道より刀の力を頼みとした。情勢を正しく見据える知略を備え、狐の狡賢さと獅子の暴悪を同時に持っていた。最後まで高麗の存続を貫き、李成桂に反対した、当時最高の文人、鄭夢周を暗殺し、父親を国王にした功労者である鄭道伝をも、自分の意にそぐわないとして切り殺した。父王に睨まれていたため、むやみに自分の野心を露わにせず、物事の順序を踏まえて第三代国王の座に上った。王位に就いてからは、王権強化を図りつつ、次々と政治力を発揮して、朝鮮王朝500年の基盤を作り上げた。彼のお蔭で息子の世宗は、名君の誉れに浴することが出来たと言っても過言ではなかった。死を目前にした鄭夢周とのやり取りが有名である。李成桂もイ・バンウォンも当代最高の文人・鄭夢周を味方に入れようとしていたが、鄭夢周が詩文で拒絶を表したため、帰宅途中の鄭夢周を待ち伏せして切り殺した。

鄭夢周

高麗末最高の文人で、詩文では鄭道伝も敵わないほどの才能の持ち主であった。儒学者で、学問を伝授して多くの弟子を世に送り出した。その中には、朝鮮王朝の朝廷に出仕して新国家の基盤造りに貢献した者も多かった。中国大陸に明が建国されると、反元・親明を掲げて李成桂や鄭道伝らと協力した。高麗から親元勢力が排斥されると、易姓革命派の李成桂、鄭道伝らと袂を分かち、高麗の継続を図った。そのために、イ・バンウォンの放った刺客によって暗殺された。

李仁任(イ・イニム)

親元を標榜した守旧派で、高麗名門出身の政治家。コンミン王に取り立てられ、その息子のウ王の代まで実権を握ってきた。しかし、政治の私物化が目に余り、政敵の親明派を手段選ばずに排斥し、ウ王に対してもその横暴を極めた。ウ王の命令を受けたチェ・ヨン将軍と李成桂によって排除され、死に至った。親明派の鄭道伝の政治生命を絶った張本人であった。


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2014年01月02日

2013 KBS演技大賞


2013 KBS演技大賞恒例の演技大賞授賞式が大晦日の夜、ソウル・ヨイドKBS公開ホールで行われ、その様子が生放送された。総合司会は、シン・ヒョンジュン、チュ・サンウク、イ・ミスクの三人であった。二部からはイ・ミスクに代わってユン・アが加わった。

毎年のことであるが、放送三局の中で一番出席者の顔ぶれが多彩で、雰囲気が盛り上がっていた。司会の三人もチームプレーをよくこなし、特にシン・ヒョンジュンの雰囲気づくりに奔走する姿が健気に思われた。
今回大賞に輝いたのは、「職場の神」のキム・ヘスで、KBSで二度目の受賞であった。また、放送三社ドラマ制作者たちが選んだ今年の演技者賞にはチュ・ウォンが選ばれた。
功労者に対する授賞はKBSではなかった。

受賞者と作品

大賞 キム・ヘス(職場の神)

最優秀演技賞
男子 チュ・ウォン(グッド・ドクター)、チ・ソン(秘密)
女子 ファン・ジョンウム(秘密)

優秀演技賞

毎日連続劇部門
男子 キム・ソックン(ルビーの指輪)
女子 イ・ソヨン(ルビーの指輪)

長編ドラマ部門
男子 チョ・ジョンソク(最高だ、イ・スンシン)、チョ・ソンハ(王さんとこの家族たち)
女子 イ・ミスク(最高だ、イ・スンシン)、イ・テラン(王さんとこの家族たち)

ミニシリーズ部門
男子 オ・ジホ(職場の神)
女子 ユン・ア(総理と私)

中編ドラマ部門
男子 チュ・サンウク(グッド・ドクター)
女子 ムン・チェウォン(グッド・ドクター)

助演賞
男子 ペ・スビン(秘密)
女子 イ・ダヒ(秘密)

新人演技賞
男子 チョン・ウ(最高だ、イ・スンシン)、ハン・ジュワン(王さんとこの家族たち)(ドラマ・スペシャル=ヨヌの夏)
女子 ア・イユ(最高だ、イ・スンシン)(きれいな男)、キョン・スジン(鮫)(TV小説=ウニ)

青少年演技賞
男子 ヨン・ジュンソク(鮫)
女子 キム・ユビン(天命)

連作・一幕劇賞
男子 ユ・オソン(ドラマ・スペシャル部門=母さんの島、馬鬼)
   チェ・ダニエル(特集ドラマ部門=恋愛を期待する)
女子 ハン・イェリ(ドラマ・スペシャル部門=ヨヌの夏)
   ボア(特集ドラマ部門=恋愛を期待する)

放送三社ドラマPDが選んだ演技者賞 チュ・ウォン(グッド・ドクター)

作家賞 ムン・ヨンナム(王さんとこの家族たち)

人気賞 チ・ソン(秘密)、 ムン・チェウォン(グッド・ドクター)

ベスト・カップル賞
チョ・ジョンソク + ア・イユ(最高だ、イ・スンシン)
チ・ソン + ファン・ジョンウム(秘密)
オ・ジホ + キム・ヘス(職場の神)
チュ・ウォン + ムン・チェウォン(グッド・ドクター)
イ・ボムス + ユン・ア(総理と私)

ネッティーズン賞 チュ・ウォン、ファン・ジョンウム


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